2022年06月01日

私は二人の男の子の母親です。
6、7年前に子育てについてエッセイを書いたのですが、あっという間に子育てがほぼ終了してしまいました。

長男は20歳になり、法的にも成人となりました。
家を離れ一人暮らしをして大学に通っています。
もちろん、定期的にと必要に応じての送金はするのですが、日常生活に口を出すことはありません。
ときどきLINEはしますが、ごくあっさりしたものです。
それでも、お誕生日にはおめでとうのメッセージをくれ、地震のときは大丈夫だよ、との連絡をくれ、というように必要な連絡はくれるので、それなりにつながっている感じです。
幸い友人にも恵まれて楽しい学生生活を送っているようで一安心です。

次男は15歳でこの春高校に進学しました。
それでなぜ子育てほぼ終了?と思われるかもしれません。
それは次男がこの4月から寮生活を始めたからなのです。
彼の行きたい学校がかなり遠く、自宅から通うのは困難だと判断して入寮することにしたのです。
中学3年の夏ころに急遽決まった志望校だったので、こんなにも早く旅立つことになるとは思っておらず少なからずショックでした。
少し幼いところもあり、中学生のときは反抗期にさしかかったこともあり、かなり険悪な時期もあったので、親としてはとても心配でこのまま離れてしまって大丈夫だろうかとも気をもみました。
ところが、別居とともに、次男は親のありがたみがわかったと言ってくれ、ちょくちょく帰省してきて、一緒にお茶をしたり買い物をしたり、しかも買い物の荷物を奪い取るように持ってくれたり、日々のあれこれを楽しく話してくれるようになって、突如としてとてもよい若者に成長したのです。
集団生活についても心配がつきなかったのですが、片付けも苦手だったのが、狭いスペースを工夫して整理整頓しているようです。
同室の同級生とも話し合いながらルールを決めて共同生活をがんばっているようです。
最初は非常に心配で、場合によれば私が学校と職場の中間地点に一時的に引っ越さなければならないのでは、という覚悟すらしていたのですが、先生方が優しく心配りしてくださっているおかげもあり、今のところ引っ越しの必要はなさそうです。

離れてみてわかったのは、親子といえども、というか親子だからこそ、お互いの距離感が大切だということです。
同居中は、私がついついあれこれと言葉にしてしまい、子どものほうも、うるさいなあ、という気持ちになることが多かったと思います。
今は離れているので私のアドバイスは求めなければ得ることができません。
私には、アドバイスが必要なできごとがあるかどうかさえもわからないからです。
そうなると、子どもからちょくちょく求めてくれるようになり、そのついでに、こちらがおせっかいを焼いて、例えば「お友達とお金の貸し借りはしたらあかんよ。」と言っても、「ありがとう。」と返ってくるようになりました。
また、同居中はほぼ上げ膳据え膳で、お互いそれが当たり前と思っていたのが、もう子どもは自分の身の回りのこと(掃除・洗濯・必要なものの購入など)はほぼできるようになっているのだ、ということがわかりました。日々のあれこれを自分で考えることによって、急激にしっかりしてきたようにも思います。
やはり人間関係においても、過ぎたるは及ばざるがごとしで、助言も助力も適量が大切だということをいまさらながら痛感しています。