今シーズン、立浪和義新監督が中日ドラゴンズを率いています。
この原稿の執筆時点を書いている時点ではドラゴンズはセリーグ最下位ですが、根尾選手の投手起用など立浪監督の采配はなにかと話題になっています。
私の父親は愛知県民でドラゴンズファンでしたので、野球といえば中日ドラゴンズ、スポーツ新聞といえば中日スポーツでした。そうした環境で育った私も少なからずその影響を受けており、我々父子は広い意味ではドラゴンズ関係者にあたります。
立浪さんといえば、PL学園からドラゴンズへドラフト1位で入団し、高卒1年目のシーズン(1988年)から遊撃手のレギュラーとなり新人王、ゴールデングラブ賞を受賞しました。新人の立浪さんを遊撃手に起用するため、星野仙一監督は宇野勝選手を二塁手へコンバートしました。うーやんこと宇野さんは遊撃手ながらに本塁打王を獲得したこともあり、メージャーリーグでいえばマリナーズ時代のアレックス・ロドリゲスのような選手です。(ただし、宇野さんが年長者ですので、Aロッドを「メジャーの宇野」と表記するべきでしょう)
立浪さんはその後もポジションを変えながら中心選手として活躍し、2009年に引退するまでドラゴンズ一筋でプレーした「ミスタードラゴンズ」です。
立浪さんの新人時代の出来事です。父と私はキス釣りのために早朝から海へでかけました。
夏の時期のまだ日の出前で朝四時台のことであったと思います。コンビニで弁当や中日スポーツを買っていきました。(この頃にはコンビニはもう24時間営業していたのでしょう)
普段は読まないスポーツ新聞を買ってもらえるのも子どもにとっては楽しみのひとつでした。
私は父が読み終わったあとの中日スポーツをみていましたが、父と話すなかでふと期待の新人立浪選手に話題が及びました。そのなかで次のやりとりがありました。
父:立浪とお父さんとどっちが給料多いと思う?
子:お父さんには悪いのですが、立浪さんはプロ野球選手ですから、やはり立浪さんの方が多いと思います。
父:これだから子どもはイヤだね。世間のことがわかってない。お父さんの方が多いよ。
子:そうなんですか?
父:そうだよ。(得意気な表情)
子:どれくらい多いですか?
父:(ニヤリとしながら指を二本か三本か立てて示す ※)
子:二万円くらいお父さんの方が多いですか。
父:ケチなこと言うなよ。倍ほどもちがうってこと。
※の部分はすこし記憶が曖昧なところではあるものの、指の数が三本(三倍)だと少し多いように思いますので二本(二倍)だったでしょうか。野球選手の年俸として報道されている金額がどの程度正確なのかという問題もありますが、およそこうした会話があったということが子どもながらに私の印象に残っています。
父は富士ゼロックスに勤めていましたが、富士フィルムと米ゼロックスの提携関係が解消されて昨年には「富士フイルムビジネスイノベーション」に社名が変更されています。
法人格としては存続しているのですが、父が勤めていた会社がなくなってしまったような気がして少し淋しく感じています。