2026年からホンダがF1に再び参戦するというニュースを耳にしました。
同年からアストンマーティン・アラムコ・コグニザント・F1チームにパワーユニット(エネルギー回生システム+内燃エンジン、以下「PU」)をワークス供給するとのことです。
ワークス供給の関係が成立すると、たとえば、ホンダにとってはPU供給先であるアストンマーティンのマシンに合ったPUを開発・供給できる、アストンマーティンにとってはPU供給元であるホンダのPUに合わせたマシン開発をしてPUの供給を受けられる、というような相互協力をしていくことが考えられます。
ホンダは、カーボンニュートラルの実現のために2020年秋にF1の活動終了を表明し、2021年末に撤退しましたが、子会社が、PUの開発はストップしたものの製造・メンテナンス業務をし続け、2021年までパートナー関係にあったレッドブル・グループに今もPUを供給し続けています。
2025年末をもって完全に撤退するかと思われましたが、2026年から適用される新しいPU規定が世界モータースポーツ協議会で承認されたことを受け、方針転換したようです。
その新しい規定の中身をみてみると
1.高出力モーターや高性能バッテリーを搭載することでエネルギー回生システムによる出力が大幅に引上げられ、内燃エンジンとエネルギー回生システムによる出力比が50:50に近くなる
2.カーボンニュートラル燃料の使用が義務づけられる
といったことが挙げられていました。
カーボンニュートラル燃料の使用義務づけは、カーボンニュートラルの実現そのものですし、電動化比率が引き上げられることもやはりカーボンニュートラルの実現につながります。
他方、アストンマーティンをみてみると、現在メルセデスからPUの供給を受けてF1で戦っていますが、長くても2025年までとする決断を下したということになります。
メルセデスからPUの供給を受けることができているものの、あくまでも、主にメルセデスのマシンに合うように設計・開発されたPUを購入するというカスタマー供給の関係にとどまっているので、より飛躍するために、ホンダからワークス供給を受けることにしたようです。
自動車業界を取り巻く環境は大きく変わり、モータースポーツにも大きく影響を与えています。自動車業界の変化に今後も関心を寄せたいと考えています。