執筆者:イスラム建築マニア
2008年05月15日

GWに友人と3人でイエメンとオマーンに行ってきました。
ともにアラビア半島先端の隣り合う2ヶ国ですが、両者はタイプの異なる国です。
旅行から帰ると、ちょうどイエメンでの日本人女性の誘拐事件がニュースになっていましたが、私たちの行った観光地になっているところは、むしろ治安は良くとても平和でした。
「それどこ?何でイエメン?」とよく言われますが、イエメンのサナアの旧市街は、まるで砂糖でデコレーションしたビスケットを組み立てて作ったような建物が建ち並ぶ町で、世界遺産にも指定されています。このサナアの旧市街を見たくて今回のイエメン行きを決めました。
オマーンはおまけです。

【サナア】
関西空港を夜11時15分発のエミレーツに乗ると、 翌朝8時50分にはもうイエメンの首都サナアに着 いています。(6時間の時差がありますが。)
サナアの旧市街は、道が迷路のように入り組んでいて、スーク(市場)になっています。私たちは屋 上からの眺めが絶景であるという旧市街のホテル に泊まりましたが、まずホテルにたどり着くのにタク シーの運転手が迷ったほどです。
とりあえず目印を見つけようとホテルの屋上から町全体を見渡しましたが、同じようなモスクのミナレット(塔)はあちこちにあり目印になりません。結局、えいや!で町をさまようことにしました。
はじめのうちはすぐに方向がわからなくなりましたが、すごいもので夕方ころにはこの迷路のようなスークをほとんど自在に歩き回れるようになっていました。そして予定以上に早くスークを見終わることができたので、1日めは夜9時ころには寝ることにしました。
寝ていると夜中に突然、大音量で叫んでいるような歌っているような声が聞こえてきて起こされました。
アザーン(礼拝の呼びかけ)です。
窓を開けて見ると、人が礼拝に出歩いている様子はありませんが、モスクのミナレットについたスピーカーが大音量を発生させていました。たくさんある他のモ スクからも同じようにアザーンが流れているようです。時刻を見るとまだ夜中の3時半です。アザーンは大音量のまま朝5時ころまで続きました。早めに寝てい て正解でした。
これもすごいもので、2日めには「ああ、アザーンが鳴っている。」と思いながらまたすぐ寝直せるようになっていました。
3日めには一緒に行った友人2人は大音量でアザーンが鳴っているというのに起きさえしませんでした。

             ▲サナア旧市街

【シバーム】
イエメンでは他に砂漠のマンハッタンと言われるシバームに行きました。
サナアが初夏とすれば、シバームは猛暑の真夏です。サナアから飛行機で1時間でサユーンに着き、シバームはそこから車で30分くらいです。
私たちは、シバームとサユーンの間にある宮殿を改装したホテルに泊まりました。朝の飛行機で到着しましたが、あまりの暑さにやられ、ホテルの庭を散策してとりあえず昼寝をしました。
こんな猛暑でもイエメンの女性は肌や髪や顔をアバヤ(足もとまである長袖の黒いワンピース)とブルカ(目元の隙間だけを開けた黒い頭巾)を着ています。
暑さで出歩く気になれず、朝9時ころには到着していたにもかかわらず、昼寝をしてからホテルでランチを食べ、2時半ころにやっと出かけようと勇気を振りし ぼってフロントまで行くと、「暑いから出かけるのは3時半以降にしなさい。みんな昼間は休んでいる。」と言われ、出かける気をくじかれた私たちはまた部屋で昼寝をしてしまいました。
結局、観光に出かけたのは3時半です。
シバームは土と石とレンガでできた高さ30メートルもの建物が並ぶ町ですが、特に店が出ているわけでもなく1時間もあれば見終わります。地元の子供に連れられて、町全体を見渡せる崖の上まで登りましたが、それでも夕方6時ころにはホテルに戻ってきました。
たった2時間半しか活動していないのに、暑さにやられ、ホテルに戻るなりみんなぐったりしてまた寝てしまいました。何とそのまま夜の11時すぎまで全員寝続け、起きたときにはルームサービスも終わっていました。仕方がないのでそのまま全員朝まで寝続けました。
旅行に行くと睡眠不足になりがちですが、こんなに寝すぎた旅行は初めてです。

【オマーン】
最後に3日間おまけにオマーンに寄りました。
イエメンはアラビア半島の最貧国で、決して豊かではありませんが、人々はみな自国に誇りを持っています。出会った多くの人が「ようこそイエメンへ!」と歓 迎してくれ、皆とても親切です。一方、オマーンは隣のドバイに近い近代的な国です。特に首都マスカットの道はすべて高速道路のようで建物もきれいです。そ の分物価も安くありません。ただし、私たちの調査によるとガソリンはイエメンよりも安く1リットル約30円です。
今回の旅行で気付いたことですが、オマーンの人は非近代的なイエメンよりもドバイに憧れているようです。ドバイのようですねと言うと喜びます。ドバイを大いに褒める一方、イエメンは遅れた国なので行く価値はないよという人さえいました。
オマーンは近代的できれいな国ですが、日本に住んでいる私たちにはむしろ普通に感じ、早朝からアザーンの響くイエメンの方が古き良きアラビアといった感じでとても魅力的でした。
ただし、実際に住むならオマーンの方が住みやすいかもしれませんが・・・。