今回は、F1の世界で活躍している二人の日本人について触れてみたいと思います。
一人目は、アメリカのチームの代表(総責任者)に選ばれた方です。
ハースというアメリカのF1チームで技術部門に携わってきた小松礼雄(コマツ アヤオ)エンジニアリングディレクターが、今年から同チームの代表(=総責任者)に就任するとのニュースが先日発表されました。
ハースF1は、昨シーズン10チーム中最下位に終わったので、立て直す大役を任されたということだと思います。
ホンダがパワーユニットサプライヤーとして久しぶりにF1に参戦した2015年当時は、たしかロータスというチームでチーフレースエンジニアとして働いていましたが、2016年から、新しく設立されたハースF1チームに移籍したと記憶しています(ロータスはその後経営主体が変わり、名前がロータス→ルノー→現在のアルピーヌへと変遷)。
考えてみますと、ハースF1は、アメリカ人が立ち上げたアメリカのチームです。日本人である小松礼雄エンジニアリングディレクターがアメリカチームの総責任者に選ばれたのは、創設当初から2023年秋ころまでの約8年間、技術部門で貢献し続けたこと、チームの内部事情をよく知っていることが、チームオーナーに評価されたからではないかと思います。
二人目は、レーシングドライバーです。
角田裕毅氏(ツノダ ユウキ 現23歳)は、2021年からアルファタウリ(イタリア籍)というチームでF1ドライバーとして参戦することとなり、2022年、2023年も同チームで参戦し続けました。当初はリタイヤが比較的多いイメージがありましたが、昨年2023年はリタイヤも少なく、計17ポイントを獲得しています(1チームあたり2人、計20人のドライバーが走るので1位から20位まで順位がつきますが、ポイントは10位までのドライバーに与えられます。1位:25ポイント、2位:18ポイント、3位:15ポイント・・・9位:2ポイント、10位:1ポイント)。
昨年、インタビューに対して、アルファタウリの経営母体であるレッドブル(有名なエナジードリンクのメーカー)や、アルファタウリにパワーユニットを事実上供給しているホンダの両方に感謝していると答えていました。
ホンダは2026年にあらためて正式にF1に参戦しますが、同年からは別チーム(アストンマーティン)にパワーユニットを供給することになっているので、同年以降、レース上はホンダとレッドブル・アルファタウリとの関係は解消されることとなります。今後の角田氏の動向が気になります。
今年2024年もアルファタウリ(今年からVisa Cash App RBに名称変更)のドライバーとしてF1に参戦することが決まっています。そのうえで来年2025年以降も同チームもしくは姉妹チーム「レッドブル・レーシング」のドライバーとして参戦するためには、またはアストンマーティンのドライバーとして参戦するためには、今年も好成績を収める必要があると思います。引き続き応援したいと考えています。