2026年CGコード改定予定について

<ポイント>
◆CGコードの改訂が本年6月頃、改定後のガバナンス報告書は本年12月末日までかも
◆スリム・リンシプル化により補充原則がコンプライ・オア・エクスプレイン対象外になるかも

 

2015年6月から実施されているコーポレートガバナンスコード(本稿ではCGコードといいます)は、2018年6月、2021年6月に改訂されました。
その後、金融庁の「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」(CGコードの実施開始時から行われている会議で、2021年改定後も毎年開催されていました)を経て、2025年6月30日の「コーポレートガバナンス改革の実質化に向けたアクション・プログラム2025」(アクションプログラム2025)により、5項目についてCGコードの見直しを行う等、必要な環境整備を推進していくとされました。
これに引き続き、同年10月21日に第1回目のコーポレートガバナンス・コードの改訂に関する有識者会議(有識者会議)が開かれました。
これまでの例からすれば本年2026年6月頃にCGコードの改訂が行われ、12月末までに改訂CGコードに基づくガバナンス報告書の開示が求められると予想されます。

上記のアクションプログラム2025の5項目は、「稼ぐ力の向上」、「情報開示の充実・投資家との対話促進」、「取締役会等の機能強化」、「市場環境上の課題の解決」、「サステナビリティを意識した経営」であり、それぞれについて今後の方向性が述べられています。
「稼ぐ力の向上」については、たとえば現預金を投資等に有効活用できているかの検証・説明責任の明確化を検討すること、また、有価証券報告書において企業戦略と関連付けた人材戦略や従業員給与・報酬の決定に関する方針、従業員給与の平均額の前年比増減率等の開示を求めるとされています。
「情報開示の充実・投資家との対話促進」については、たとえば有価証券報告書の総会前開示を促進するとされています。これに合わせて有価証券報告書のスリム化も検討されることとなっています。
「取締役会等の機能強化」については、たとえば取締役会事務局(コーポレートセクレタリー)の機能強化が述べられています。社外取締役の比率のさらなる増大や取締役会議長への就任のような場合には特に必要性が高まるように思われます。
「市場環境上の課題の解決」については、たとえば政策保有株式の売却を阻止するために既存の取引の縮減を示唆する事例もあって、開示の実効性確保のあり方を含めて対応を検討するとされています。
「サステナビリティを意識した経営」については、たとえばサステナビリティ情報を含む非財務情報の虚偽記載等について免責される場合(セーフハーバー・ルール)を整備することが述べられていいます。

有識者会議では、現預金を含めた経営資源の適切な配分を通じた投資促進、有価証券報告書の総会前開示の促進、取締役会事務局の機能強化が議論の俎上に上がっているようです。
特に現預金に関しては、投資家側、上場会社側からそれぞれ意見があったようです。
多くの投資家は、総資産における現預金割合が増加している現状のもとで、最適な資本構成と有効な資本活用を期待しており、余剰資金の株主への還元という中長期的な企業価値に責務を持つ取締役会が検証し、説明することが重要と考えているとのことです。
一方、上場会社は、ショートターミズムが強くなると研究開発投資などが後回しになる危険性があることを踏まえて、現預金保有を否定されないような慎重な対応が必要と考えているとのことです。
現預金を含めた経営資源の適切な配分を通じた投資促進については、今後の議論の進展を見守る必要があります。

CGコード全体としては、コードのスリム化・プリンシプル化が議論されています。
現CGコードは、基本原則5個、原則31個、補充原則47個から成り、コンプライ・オア・エクスプレインの規律によっています。
このうち、補充原則については、重要で必要性のあるものは原則への格上げしてコンプライ・オア・エクスプレインの規律の対象とし、そうでないものは他の原則等の補助的な位置づけとして同規律の対象外とすることが検討されているようです。