分譲マンションにおける外部管理者方式(外部専門家による)について 2
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<ポイント>
◆規約上役員を組合員から選任することとなっている場合は改正の必要あり
◆標準管理規約では、組合員以外の者を役員として選任する方法は細則で定めるとされている

 

前回に引き続き、区分所有者以外の者(外部専門家や管理業者など)が管理者となる「外部管理者方式」のうち
〇「理事・監事」外部専門家型または「理事長」外部専門家型
理事会あり、理事長=管理者、外部専門家が役員(理事長を含む)に就任
〇外部管理者・総会監督型
理事会なし=理事長不在、外部専門家が管理者に就任
についてみていきたいと思います。
(前回執筆記事:「分譲マンションにおける外部管理者方式(外部専門家による)について」 、マンション標準管理規約(単棟型)の別添1のほか、国土交通省作成の「マンションにおける外部管理者方式等に関するガイドライン」が参考になります(以下「ガイドライン」といいます)。

外部管理者方式のメリット・デメリットを考慮したうえで、導入する必要があると判断された場合には、組合員(=区分所有者)に向けて説明会を開いたりアンケートをとったりしながら当該マンションの管理状況や外部管理者方式を導入する必要性、メリット・デメリットについて情報共有しつつ、組合員の意向を把握し、合意形成していくことが考えられます。
そのうえで、総会で導入推進決議をおこなうなどして、候補者の選定や契約書・報酬等の予算・後述する細則・必要に応じて規約改正案を検討し、総会決議で正式に決定することが考えられます。

なお、管理規約上、組合員のうちから役員を選任することとなっている場合は、管理者の選任決 議より前、または選任決議と同一の総会で、組合員以外の者から管理者を選任できるよう管理規約を変更する必要があります。
また、国土交通省作成のマンション標準管理規約(単棟型)では、組合員以外の者(である外部専門家)を役員として選任する方法は細則で定めるとされており、上述したガイドラインには、外部専門家の選任手続等に関して細則で定めるべき事項の例として、要約すると

・外部専門家を役員に選任する際にはその者の役職(理事長、副理事長、会計担当理事、その他理事、監事)も含めて総会で決議すること
・資格要件
・理事会決議の際に議決権を有しないこと
・○○円以上の経費の支出が必要となる場合には、あらかじめ、理事会の承認を得てその支出を行うことができること
・細則に定めるもののほか、外部専門家役員の選任・解任に係る細目は、外部専門家と管理組合との間で締結される契約に定めるところによること

などを定めておくことが考えられるとされています。
(あくまでも例ですので、必ずしも外部専門家の役職まで総会決議事項としたり、外部専門家役員は理事会決議の際に議決権を有しないこととしたりする必要はないと思われますが、管理組合の業務運営に対する組合員による適切な監督の観点から、ガイドラインでは上述した例が挙げられていると思われます。)

次回も、分譲マンションにおける外部管理者方式(外部専門家による)についてみていきたいと思います。