2025年08月01日

2025年3月からのF1シーズン開幕にあたり、オラクル・レッドブル・レーシングは、エースドライバーであるマックス・フェルスタッペンのチームメイトとして、経験豊富な角田祐樹選手ではなく、F1ドライバーとしてはルーキーのリアム・ローソンを抜擢しました。
しかし、ローソンは第1戦オーストラリアGP、第2戦中国GPで思うように成績が伸びず、マシン特性への適応で苦戦を強いられ、結果が芳しくありませんでした。
そこでレッドブル首脳陣はドライバー交代を検討し、レッドブルの姉妹チームで好成績を収めていた角田選手を、第3戦日本GPからレッドブルのドライバーとして昇格させる決断を下しました。
フェラーリ、マクラーレン、メルセデスといった強豪チームの壁は厚く、決勝レース前に3回おこなわれる予選(Q1、Q2、Q3)のうち3回目(Q3)まで進出できた第6戦マイアミGPを最後に、第12戦イギリスGPまでを含めてQ3に進出できませんでした。
第12戦まででは次の点が気になりました。
• なかなか結果の出ない焦りからなのか、ともすればやや無理をして前方マシンを追い抜こうとして、タイムペナルティが課された場面が見られたこと
• ピットレーンでの制限速度違反など、細かなミスによる順位低下
• 首脳陣がエースドライバーであるマックス・フェルスタッペンのマシンのアップデートを優先し、角田選手のマシンのアップデートが進まなかったこと(クラッシュによるマシンパーツ破損も痛かった)
最近のGPでは、決勝レース後のインタビューで「どうしたらよいか分からない」と答えるなど悩んでいる様子もうかがえましたが、日本時間7月26日・27日におこなわれた第13戦ベルギーGPでは予選Q1から新パーツ(フロア(床部分))が投入されてダウンフォースが改善し、ひいてはタイムが改善し、第6戦マイアミGP以来、久しぶりにQ3進出を果たし、予選7番手という好位置を獲得しました。
そして迎えたベルギーGP決勝レースでは、天候の悪化によるスタートディレイや難しいコンディションに見舞われましたが、角田選手は新フロアの効果を最大限に活かして、決勝レースでも安定した走りを見せてくれました。
ところがエンジニアとのミスコミュニケーションによるピットインの遅れが影響し(路面が乾いてきたのに雨天用のタイヤで1周多く走行することとなった)、13位でチェッカーを受ける結果となりました。
ピットインの遅れは相当悔しかったと思いますが、レース最後までの変わらぬ粘り強い走りや一貫したタイヤマネジメントは、称賛に値すると思います。
若干25歳。今後もF1日本人ドライバーとして着実に進歩を重ね、いつの日か表彰台に立つことを願っています。