平成29年分年末調整のポイント

 

2017年12月01日

年末調整は、給与支払者がその年最後の給与支払時に、給与所得者ごとに、本年中の給与及び賞与支払時に源泉徴収をしてきた所得税額(復興特別所得税額を含む。以下同じ。)の合計額と本年1年間の給与所得について負担することとなる所得税額を比べて、その過不足額を精算するものです。給与所得者の割合が高い本国において、申告納税制度を維持するうえで非常に重要な役割を担っています。
ここでは、本年の改正項目を中心に確認します。

1.給与所得控除
所得税は、基本的にその年中の収入金額から、その収入を得るために要した経費の金額を控除した所得が課税の対象となります。給与所得の場合は、給与収入から表1の給与所得控除という概算経費を控除することになります。平成26年度の税制改正で、給与所得控除の上限が段階的に引き下げられ、平成29年分については、上限2,200,000円となりました。なお、給与所得者が実費負担した経費の一部を控除できる特定支出制度は、年末調整では適用できず確定申告の対象となります。
表1 給与の収入金額と給与所得控除額(平成29年分)

     給与の収入金額       給与所得控除額
1,625,000円までの金額 650,000円
1,625,000円を超え 1,800,000円までの金額 収入金額×40%
1,800,000円を超え 3,600,000円までの金額 収入金額×30%+180,000円
3,600,000円を超え 6,600,000円までの金額 収入金額×20%+540,000円
6,600,000円を超え10,000,000円までの金額 収入金額×10%+1,200,000円
10,000,000円を超える金額 ,200,000円(上限)

 

2.所得控除

所得税法では、各納税者の個人的事情を税額計算に加味するため所得控除制度を設けています。
所得控除は14種類ありますが、このうち、年末調整で適用が受けられるのは、以下の11種類です。
①社会保険料控除
②小規模企業共済等掛金控除
③生命保険料控除
④地震保険料控除
⑤障害者控除
⑥寡婦(寡夫)控除
⑦勤労学生控除
⑧配偶者控除
⑨扶養控除
⑩配偶者特別控除
⑪基礎控除
残りの「雑損控除」「医療費控除」「寄附金控除」の3種類は、確定申告によってのみ控除を受けることができます。
平成29年度税制改正で配偶者控除関係が改正されましたが、適用は平成30年分の所得税からとなります。

3.税額計算
2.の所得控除が控除された残額が「課税給与所得金額」といわれるものです。この金額を表2の速算表に当てはめ、所得税額を求めることになります。
表2 所得税額の速算表

課税給与所得金額A 税率B 控除額C 税額計算式D
195万円以下 5% 0円 A×B
195万円超   330万円以下 10% 97,500円 A×B-C
330万円超   695万円以下 20% 427,500円 A×B-C
695万円超   900万円以下 23% 636,000円 A×B-C
900万円超 1,742万円以下 33% 1,536,000円 A×B-C

 

※1課税給与所得金額に1,000円未満の端数があるときは、これを切り捨てます。
※2課税給与所得金額が17,420,000円を超える場合は、年末調整の対象となりません。

4.その他
① 復興特別所得税
平成25年から49年までの各年分について、所得税の納税義務者は、併せて復興特別所得税の納税義務があります。復興特別所得税の税額は、基準所得税額の2.1%です。源泉徴収義務者は、給与その他源泉徴収をすべき所得を支払う際には、その所得について所得税と復興特別所得税を徴収して納付します。また、年末調整をする際には、所得税と復興特別所得税の年末調整を併せて行ないます。
② 住宅借入金等特別控除の改正
平成29年税制改正で、(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の適用を受ける住宅が災害により居住の用に供することができなくなった場合に、災害により居住の用に供することができなくなった年以後の当該住宅に係る住宅借入金等特別控除の適用年について、住宅借入金等特別控除の適用することができるとされました。