執筆者:イスラム建築マニア
2011年11月15日

我が家の犬も6才になった。
犬は2才で成犬になり、6才は人間でいったら40才に相当する。
知能は人間の2才児くらい。簡単な言葉を理解するし喜怒哀楽の表情もある。普段は毎日幼児と暮らしているようだ。

しかし、
最近、幼児のなかに「オッサン」を見ることがある。そこはやはり40才なのか。人間も犬も、そのころになると無意識のうちにオッサン化してくるのは共通しているようだ。

たとえば、動くのを億劫がるようになる。
子犬のころは、私が家に帰ると、飛んで来てベロベロ舐めて大喜びで迎えてくれた。
ところが、いつの間にか帰っても部屋から出てこなくなった。
部屋で布団の上に寝そべって待っている。まるで休日に部屋でゴロゴロしているおやじのようだ。完全に動くのを面倒くさがっている。
私が部屋まで来るとやっと起き上がり、そこからは尻尾を振ったり舐めたり、ものすごく待ってたかのように振舞う。「うそつけ!」とツッコミたくなる。

ところがこの夏は、いつも玄関のドアを開けると同時にやって来て大喜びで迎えてくれるように戻った。
喜んでいたら、どうも夏は暑いので、毎日、玄関のタイルの上で寝ていただけのようだった。
秋になると来なくなった。
最近はまず呼び鈴を鳴らして家の中にいる犬に予告している。

また、朝から時々「カッ!」とオッサンのような声を出してたんを吐き出すことがある。
寝るときも犬のくせに仰向けに大の字になり、ガーガー大きないびきをかいて寝る。
たまに「ん?今のは歯ぎしり?」みたいなギリッという音を立てるときさえある。

散歩に行っても、子犬のころは犬でも人でも見かけると大喜びで走って寄って行き、尻尾を振ってぴょんぴょん飛び跳ねて喜んでいた。そしてしばらく犬同士でじゃれあい、人にかわいいねと頭を撫でてもらうまで待っていた。
「こんな落ち着きのない犬は初めて見た。」と友人から言われるほどだった。
それも成犬になるころから落ちつきだし、今では喜んで近寄って行くものの、ほんのひと嗅ぎで飽きてさっさと行こうとする。

落ち着きのないころは、「2才までの辛抱。2才になると落ち着くよ。」と犬を飼っている人に言われ、それまでの辛抱と思っていたが、今ではその頃がなつかしい。
人には「いい子やね。」と褒められるが、なんだかさみしい。
つくづく子供はいい子よりも元気な子のほうがいいものだと思う。
願わくば、いつまでも元気な2才児のまま長生きしてほしいものである。