専有部分と共用部分

 木ノ島 雄介

2017年08月15日

<ポイント>
◆区分所有権、専有部分、共用部分とは何か
◆専有部分の3要件を把握する
◆共用部分の種類を把握する

マンションに関するご相談の内容としては、共用部分や敷地の利用に関するものが多いですが、これらに対する理解を深めるためには、区分所有権、専有部分、共用部分などの理解が欠かせません。
私見ですが、区分所有権とは何か→専有部分とは何か→共用部分とは何か、の順に理解していくと分かりやすいと思います。今回は、これらについて解説したいと思います。

区分所有権とは、法律上(区分所有法上)、『一棟の建物のうち、構造上区分され、独立して住居・店舗などに利用できる部分』に対する所有権をいいます。独立して利用できるとは、たとえば独立の出入口があって隣室などを通らずに外部に出入りできることです。

原則として所有権の対象となるのは一個の物全体であって、物の一部分だけを取り出して所有権の対象とすることはできません(法律用語で一物一権主義といいます)。
しかし、区分所有権は一棟の建物の一部分を対象とするので、一物一権主義の例外といえます。

そして、人の区分所有権の対象となっている上記『・・・部分』を専有部分といいます。いいかえますと、一棟の建物の一部分が専有部分となるためには以下の三つの要件を充たすことが必要です。
ア 構造上の独立性が認められること
イ 利用上の独立性が認められること
ウ 現に区分所有権の対象となっていること
「ア」「イ」が認められるだけでは専有部分になりません。

次に共用部分とは
A.専有部分以外の「建物の部分」
B.専有部分に属しない「建物の附属物」
C.規約により共用部分とされた「附属の建物」
をいいます。以下、それぞれの説明をします。

A.専有部分以外の「建物の部分」について
すべて共用部分となります。いいかえれば、一棟の建物は専有部分と共用部分だけで成り立っており、それ以外の部分はありません。法律上当然に共用部分になるものと、規約により共用部分となるものがあります。
法律上当然に共用部分となるもの(法定共用部分)とは、数個の専有部分に通ずる廊下または階段室その他構造上区分所有者の全員または一部の共用に供される「建物の部分」です。廊下や階段室のほかに、エレベーター室や躯体部分(基礎・土台部分、屋根、屋上、外壁など、建物全体を維持するために必要な建物の部分)が挙げられます。これらは、構造上の独立性や利用上の独立性が認められないことから、当然に共用部分となります。
また、『一棟の建物のうち、構造上区分され、独立して住居・店舗などに利用できる部分』(前述した、区分所有権の対象となりうる部分)であっても、規約で共用部分と定めることができます(規約共用部分)。たとえばマンションの一室を、規約で区分所有者全員の集会室と定めることができます。

B.専有部分に属しない「建物の附属物」について
「建物の附属物」とは建物に附属し、構造上、効用上、その建物と不可分の関係にあるものをいいます。たとえば電気・ガス・水道などの配線や配管、エレベーター室の昇降機などが挙げられます。これらが附属する建物の部分が専有部分であれば専有部分の一部となりますし、附属する建物の部分が専有部分に属しなければ共用部分となります。たとえば各住戸共通の給水管の本管は専有部分に属しないので共用部分となりますが、その本管からの枝管は専有部分に属するので専有部分の一部となります。

C.規約により共用部分とされた「附属の建物」について
「附属の建物」の典型例は、区分所有建物に隣接した、当該住戸専用のガレージや物置です。規約により共用部分とすることができます。

また折を見てマンションに関する法令・問題に触れてみたいと思います。