マンション標準管理規約等の改正

 木ノ島 雄介

2016年04月15日

<ポイント>
◆コメントにおいて滞納管理費の回収方法をフローチャートで説明
◆区分所有者以外の外部専門家が役員に就任できる
◆災害時において保存行為・修繕工事の迅速な意思決定を可能とした

国土交通省は2016年3月14日付けで、「マンション管理の適正化に関する指針」と「マンション標準管理規約および同コメント」を改正しました。

「マンション管理の適正化に関する指針」の主な改正点としては、マンションにおけるコミュニティ形成の積極的な取組み、外部専門家を活用する場合の留意事項を明記したことなどが挙げられます。詳細は以下をご確認ください。
http://www.mlit.go.jp/common/001122894.pdf

コミュニティ形成については、日常的なトラブルの防止、防災、防犯の観点から重要なものと位置づける一方、自治会・町内会は管理組合と異なり、各居住者が各自の判断で加入するものであること、マンション管理と自治会活動の範囲を整理し、管理費と自治会費の徴収・支出を分けて適切に運用すべきことをうたっています。
外部専門家の活用については、区分所有者だけでなく外部専門家も役員に就任することが可能としたうえで、マンションの区分所有者等による選任や業務監視の適正・強化の重要性をうたっています。

「マンション標準管理規約および同コメント」の主な改正点としては、前述したコミュニティ条項の再整理や外部専門家の活用のほか、管理費等の滞納に対する措置、暴力団等の排除規定、災害時の管理組合の意思決定、管理状況などの情報開示に関する規定の整備が挙げられます。
改正後の標準管理規約および同コメント、改正点の詳細は以下をご確認ください。
http://www.mlit.go.jp/common/001126039.pdf
http://www.mlit.go.jp/common/001122893.pdf

コミュニティ条項の再整理について補足しますと、従前はコミュニティ形成に関する費用として管理費の支出を認めていましたが、内容が曖昧であることから従前の条項を削除しました。そのうえで、管理費の支出を「マンション及び周辺の風紀、秩序及び安全の維持、防災並びに居住環境の維持及び向上に関する業務」に該当すれば認めるとしたものです。
従前のコミュニティ条項が拡大解釈され、任意加入団体であり区分所有者全員が加入しているとは限らない自治会の自治会費を、強制加入団体であり区分所有者全員が加入している管理組合が、管理費として一体で徴収している事例等が生じていることの反省に立ったもののようです。

管理費等の滞納に対する措置については、管理組合は、納付しない組合員に対して督促を行うなど必要な措置を講ずるものとする旨を明記したうえで、管理組合が取るべき対応を、マンション標準管理規約(単棟型)コメントに別添されたフローチャートなどを用いて説明しています。

災害時の管理組合の意思決定については、敷地や共用部分等の保存行為を理事長が単独ででき、総会を開催することが難しい場合における応急的な修繕工事を理事会決議でできるように改正されています。

管理状況などの情報開示については、理事長が長期修繕計画書、設計図書、修繕等の履歴情報の保管をして求めに応じて区分所有者等に閲覧させること、管理組合の財務・管理に関する情報を記入した書面を求めに応じて区分所有者等に交付できることなどが新たに定められています。

その他、従来議決権割合は共用部分の共有持分の割合によること等が適当とされていましたが、標準管理規約(単棟型)コメントにおいて、新たに建てられるマンションの議決権割合について、専有部分の階数(眺望、日照等)、方角(日照等)等を考慮した価値の違いに基づく価値割合を基礎として議決権割合を定めることも考えられると示しています。

このように様々な点が改正されており、各マンションの実情に見合った管理規約の作成が求められているといえます。