2005年02月01日

私は、3歳の男の子の母親です。
そのつきあいで、スーパー戦隊もののテレビ番組を見るようになりました。

今放映されているのは「特捜戦隊デカレンジャー」です。
はっきり言って今では息子ともどもすっかりはまっています。
息子は自分はクールでかっこいいデカブルーであると信じて疑わず、私はやさしいデカグリーンのファンになりました。
毎週(日曜日の午前7時30分から大阪では6チャンネルで放映されています。残念ながら2月5日で放送終了です。)HDDに録画できるように予約し、永久保存するためDVDに焼き付けています。
夫の教育方針もあり、高価なおもちゃは誕生日やクリスマス以外は買うことができませんが、キャラクターブックやデカレンジャーバッジがおまけに付くデカレンジャーキャンディなどの食玩、デカレンジャーかるたなどにはついつい財布のひもが緩んでしまいます。
世間一般でもこの番組は大変人気のようで、お正月明けには、デカレンジャー関連のおもちゃが完売し、デカレンジャーコーナーそのものがなくなっているところもあります。
デカレンジャーのショーがあると聞けば、枚方パークはおろか、極寒のポートピアランド水上ステージや名古屋ドームにまで足をのばしてしまいます。

デカレンジャーへの熱い想いを語ればいろいろあるのですが、少しは弁護士らしい立場から考察を加えたいと思います。

私が子供のころは、元祖スーパー戦隊ものというべき「ゴレンジャー」が放映されていました。
デカレンジャーは第28代のスーパー戦隊になります。
基本的にはヒーローは5人組ですが、長いスーパー戦隊の歴史の中では3人だったりすることもあったようです。
デカレンジャーはゴレンジャーと同じく、赤、青、黄、モモ(ピンク)、緑の5色によってそれぞれの個性を与えられたヒーロー(ヒロイン)達です。
私が最初デカレンジャーを見てびっくりしたのは、黄色のキャラクターが女性であることです。
今回、このエッセイを書くにあたって調べてみると、これまでにも、黄のキャラクターが女性だったことはあるようですが、私の世代の感覚では、黄色といえば、カレー好きのでぶキャラというイメージなのですが、デカイエローは、クールで謎めいたエスパーだったので、すこし驚いたのです。
デカピンクもモモレンジャー同様女性であり、5人中2人が女性ということになります。
そうなると、敵との戦闘においても、お飾り的な存在ではあり得ず、女性二人のコンビネーションによる華麗な戦闘シーンなども随所に見られます。
デカイエローやデカピンクがメインのストーリーのときは、ラストで二人が前に出て歌う歌が流れます。
何かで読んだ話では、女性を二人にすることによって、女性にそれぞれの個性を与えることができ、話に膨らみが出ることを期待した、というような制作スタッフの言葉が載っていました。
確かに、モモレンジャーについて、どのような人か、と言われてももう一つ説明しにくく、きれいな女の人、というイメージに尽きてしまうのですが、デカピンクであれば、お風呂好きの明るくてちょっとお調子もののおねえさん、デカイエローであれば、クールで知的な美人キャラ、という風にかなり個性がはっきりあります。
デカレンジャーがダブルヒロイン体制をとっているからと言って、男女共同参画社会下におけるヒーロー(ヒロイン)像云々というのは的はずれなのかも知れません。
しかし、二人のヒロインが、それぞれの個性を出しつつ生き生きと宇宙警察署において勤務している姿は、同じ働く女性として励まされる気がします。
デカピンクがデートに行くためにすごい勢いで犯罪者をやっつけたり、デカピンクとデカイエローが二人で協力して事件を解決したあとにプライベートでショッピングに行くところなどは大好きなシーンです。
また、息子世代の子供達(デカレンジャーには女の子のファンもたくさんいます。)が、男女が自然に協力しあって働いている姿を見ながら育ってくれるのは、決して悪いことではないと思います。

もう一つ、我田引水的ですが、デカレンジャーの今日的な特徴を述べます。
それは、デカ(刑事)の名からすれば、当然なのかも知れませんが、悪者をやっつける前に「判決」が下されるのです。
ある程度相手を追いつめたあとで、デカレンジャーが悪者に対しSP(スペシャルポリス)ライセンスなるアイテムを向け、はるか銀河の彼方にある宇宙最高裁判所の判決を要請するのです。
その判決内容は、数秒で明らかになり、ほとんどがデリート(消去)許可すなわち死刑。
「特捜戦隊デカレンジャー」のホームページでは、悪者ごとの「ジャッジメント・リスト」なるページもあり、それぞれの悪者についての「罪状」と「ジャッジメント(判決内容)」が記載されているのです。
かっこよさ重視のはずの子供向けの番組でさえ、手続保障がなされるとは、日本の法化社会化もここまで来たか、などと無理矢理に感心しつつ、楽しく見せていただいています。