管理組合法人について 2
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<ポイント>
◆管理組合法人の名で訴訟当事者になれる
◆理事を数人置いたときは各自が法人を代表するが代表権につき制限可能

「管理組合法人について」において、区分所有法上、管理組合法人が成立した後は管理組合法人がその事務に関して区分所有者を代理すること、共用部分等に関する損害保険契約に基づく保険金額、共用部分等について生じた損害賠償金、不当利得による返還金を請求・受領していくことをお話ししました。
拙稿「管理組合法人について」をご参照ください。

引き続き、管理組合法人についてお話しします。
区分所有法において管理組合法人は、規約や集会決議により、その事務に関して区分所有者のために原告または被告になることができます。たとえば共用部分等について生じた損害賠償金を請求するために原告になることができます。
ただし、規約に基づいて原告または被告になったときは、遅滞なく区分所有者にその旨を通知しなければなりません。この場合の宛先は、区分所有法では、区分所有者が理事に通知を受ける場所を知らせたときはその場所に、通知を受ける場所を知らせなかったときは専有部分の所在地に、通知を発すればよいとされています。さらに、規約に特別の定めがあれば、建物に居住する区分所有者や通知を受ける場所を知らせない区分所有者に対する通知は、建物内の見やすい場所に掲示しておこなうことができます。集会の招集通知の宛先をどうするか(拙稿「分譲マンションにおける集会について」をご参照)と共通しています。
区分所有法において理事の選任または解任は、規約に別段の定めのない限り、集会の決議(普通決議)によっておこなわれます。そして理事に不正な行為その他その職務を行うに適しない事情があるときは、各区分所有者はその解任を裁判所に請求できます。

理事を数人置いたときは、規約に別段の定めがない限り、管理組合法人の事務は、理事の過半数で決します。原則として各理事が単独で管理組合法人を代表しますが、代表権の濫用を防ぐために単独代表を制限し、規約または集会の決議によって、代表理事を定めたり、数人の理事による共同代表を定めたり、規約の定めに基づいて理事の互選によって代表理事を定めることができます。
代表理事を定めたときは他の理事は管理組合法人を代表できませんし、共同代表を定めたときは数人の理事が連名で管理組合法人を代表することになります。
参考になれば幸いです。