消費税簡易課税制度 みなし仕入れ率見直しのポイント
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平成26年度税制改正では、消費税の簡易課税制度のみなし仕入率が見直されました。
今回は、この見直しのポイントについて見ていきます。

【簡易課税制度の変遷】
簡易課税制度は、平成元年の消費税導入時より、中小企業者の事務負担に配慮して、事務の簡素化を図るために、事業者の選択により適用できる制度として採用されてきました。
具体的には、課税売上に対応する課税仕入れについて、みなし仕入率を用いて計算することを認める制度です。
このみなし仕入率については、事業の種類ごとに異なるみなし仕入率が適用されています。
消費税が導入された当初の簡易課税制度では、みなし仕入率は第一種(卸売業)と第二種(その他の事業)の2種類のみの大雑把なものでした。
また、基準期間の課税売上高が5億円以下の事業者が適用可能な制度とされ、新しい制度である消費税の定着に大きな貢献を果たしたと考えられています。
その後、簡易課税制度は、事業者にとって益税となるとの批判を浴びたことから、図表1のような幾度の改正を経て、現在は、基準期間の課税売上高が5千万円以下の事業者のみが適用可能な制度となり、みなし仕入率についても第一種の90%から今回、第六種の40%までと6種類に細分化されてきています。
なお、原状の簡易課税制度については、事業区分の判定が難しくなっていますが、消費税10%時に軽減税率が導入された場合、複数税率となることから、簡易な利用ではなくなるとの声もあります。


【改正の背景】
会計検査院の報告書によれば、全ての事業区分で、みなし仕入率が実際の課税仕入率を上回っており、中でも実際の課税仕入率とみなし仕入率の開差が大きいものとして、金融業および保険業と不動産業が指摘を受けました。

【改正の内容】
平成26年度税制改正では、従来の5種類の事業区分から、6種類の事業区分に変更の上、平成27年4月1日以後に開始する課税期間から適用されます。
具体的には、図表2のように金融業および保険業が「第四種事業」から「第五種事業」へ変更となり、不動産業が「第五種事業」から新設された「第六種事業」となりました。


【みなし仕入率改正の経過措置】
みなし仕入率の見直しは、平成27年4月1日以後に開始する課税期間から適用されますが、経過措置が設けられており、平成26年9月30日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出した事業者は、平成27年4月1日以後に開始する課税期間であっても、その届出書に記載した適用開始課税期間の初日から2年を経過する日までの間に開始する課税期間については、改正前のみなし仕入率が適用されることになっています。
具体例を示すと図表3のようになります。