新型コロナウイルス感染症に関する税務の対応等について(2)
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新型コロナウイルス感染症に関する支援策として、前々回の記事で当時公表されていた主なものを紹介しました。今回はそれ以外のものを補足的に紹介します。

1.住宅ローン控除の適用要件の弾力化
新型コロナウイルス感染症の影響による住宅建設の遅延等によって住宅への入居が遅れた場合でも、定められた期日までに住宅取得契約が行われている等の一定の場合には期限内に入居したのと同様の住宅ローン控除を受けられるよう、適用要件が見直されました。

(1)住宅建設の遅延等により、令和2年12月31日までに入居できない場合の特例
住宅ローン減税の控除期間13年間の特例措置について、新型コロナウイルス感染症の影響により入居が期限(令和2年12月31日)に遅れた場合でも、次の要件を満たしていれば、入居期限が令和3年12月31に延長されます。
①以下の期日までに契約が行われていること
 ・注文住宅を新築する場合 令和2年9月末
 ・分譲住宅、既存住宅を取得する場合、増改築等をする場合 令和2年11月末
②新型コロナウイルス感染症の影響によって、注文住宅、分譲住宅、既存住宅又は増改築等を行った住宅への入居が遅れたこと

(2)中古住宅の増改築等の遅延等により、6ヵ月以内に入居できない場合の特例
既存住宅を取得した際の住宅ローン減税の入居期限要件(取得の日から6ヵ月以内)について、取得後に行った増改築工事等が新型コロナウイルス感染症の影響で遅れ、入居が遅れた場合でも、次の要件を満たしていれば、入居期限が「増改築等完了の日から6ヵ月以内」に延長されます。
①以下のいずれかの期日までに増改築等の契約が行われていること
 ・既存住宅取得の日から5ヵ月以内
 ・関連税制法案の施行日から2ヵ月以内(施行日より前に契約が行われている場合も可)
②取得した既存住宅に行った増改築等について、新型コロナウイルス感染症の影響によって、増改築等後の住宅への入居が遅れたこと
2.中止等された文化芸術・スポーツイベントに係る入場料等の払戻請求権を放棄した参加者への寄附金控除の適用
政府の自粛要請を踏まえて中止等した一定の文化芸術・スポーツイベントについて、参加者がチケットの払戻しを受けない(放棄する)ことを選択した場合は、その放棄した金額分を「寄附」と見なし、寄附金控除(所得控除又は税額控除)の適用を受けることができます。
当該適用の指定を受けているかは、主催者に確認するか文化庁・スポーツ庁のホームページで確認する必要があります。
指定を受けている場合、参加者は主催者に払戻しを受けないことを連絡して、主催者から「指定行事証明書」及び「払戻請求権放棄証明書」を入手し、確定申告書に添付の上、寄付金控除の適用を申告します。

3.特別貸付けに係る契約書の印紙税の非課税
公的金融機関や民間金融機関等が、新型コロナウイルス感染症によりその経営に影響を受けた事業者に対して行う金銭の特別貸付けに係る消費貸借に関する契約書について、印紙税を非課税とすることとされました。