令和3年1月から施行される改正著作権法
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<ポイント>
◆海賊版と知りながら行うダウンロードの違法性

1 音楽・映像については、すでに著作権法上、違法ダウンロードに関する記載があります。
 しかし、インターネット上ではこうした情報に限らず「まんが村」なるサイトで多くの出版物がタダ読みされ、「はるか夢の址」などは日本最大級のリーチサイトとして問題視されていました。ニュースで騒がれていましたが、これらサイトの運営者は著作権法違反の疑いで逮捕され、サイトは閉鎖されました。
他方で、上記2サイト以外にも膨大な数の海賊版サイトが存在しています。漫画だけではなく、雑誌、専門書、文芸書、新聞などの著作物が被害を被ってきました。
そこで、今回の改正では、規制対象とされる行為が、音楽・映像に限らず、こうした漫画、雑誌、小説、写真、論文、コンピュータープログラムなどすべての著作物に拡大されました。

2 また、正規版が有料で提供されている著作物に関する侵害コンテンツを反復・継続してダウンロードした場合には、刑事罰(2年以下の懲役または200万円以下の罰金(またはその両方)の対象とされます。
ただし、今回の規制によっても正当な情報収集を阻害しないように、侵害コンテンツをダウンロードした場合であっても、次の事由に該当する場合には処罰の対象から除外されます。
(1)スクリーンショットを行う際の違法漫画家の写真の取り込み
(2)数十ページで構成される漫画の1コマ~数コマなど「軽微なもの」
(3)二次創作・パロディ
(4)著作権者の利益を不当に害しないと認められる特別事情がある場合

3 なお、著作物をアップロードする行為は、すでに刑事罰(10年以下の懲役または1000万円以下の罰金)の対象になっています。