自転車の交通法規
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<ポイント>
◆自転車は車両(軽車両)であり、歩行者とは異なる
◆自転車による歩道等の走行にはルールがある
◆歩行者との事故で高額な賠償責任を負うことがあるので、保険加入が義務化されつつある

日々、手軽な移動手段として重宝されているのが自転車ですが、今回はこの自転車にまつわる法律を解説します。

まず、自転車は道路交通法では「軽車両」という車両(道交法2条11号イ・8号)であり、歩行者とは区別されます。人力で動くものであるので、歩行者と同じではないかと思われる方もいるようですが、法的な扱いは異なります。そのため、歩行者との事故においては、基本的に自転車の過失の方が重くなります。
  
自転車は車両であるので、歩道または路側帯と車道の区別のある道路では、自転車は、原則として、車道を走行しなければなりません。しかし、1)道路標識等により自転車が歩道を通行することができることとされているとき、2)自転車の運転者が、児童、幼児、70歳以上の者などであるとき、3)上記2つ以外に、車道又は交通の状況に照らして自転車の通行の安全を確保するため自転車が歩道を通行することがやむを得ないと認められるときには歩道を走行することも可能です。その場合でも、自転車は、歩道の中央から車道寄りの部分(道路標識等により自転車が通行すべき部分として指定された部分があるときは、その指定部分)を徐行しなければなりません(徐行とは、直ちに停止することができるような速度で進行することです)。また、自転車の進行が歩行者の通行を妨げることとなるときは、一時停止しなければなりません。路側帯においては、自転車は、著しく歩行者の通行を妨げることとなる場合を除き、道路の左側部分に設けられた路側帯を通行することができますが(軽車両の通行を禁止する道路標示がある場合は除く)、歩行者の通行を妨げないような速度と方法でなければなりません。つまり、歩道にせよ、路側帯にせよ、自転車が車道以外を走行するときは、歩行者のことを第一に考えて走行すべきなのです。
また、仲のよい友人同士でやりがちですが、自転車で並走してはいけません(道路標識などで可とされている場合は除きます)。

条例で、自転車に乗る際には自転車保険の加入が義務付けられることが増えています。これは、自転車による事故でも、相手を死傷させるなどして数千万円にもなる賠償義務が課されることがあり、被害者の保護のためにも加入が必要と判断されているためです。義務であるのに自転車保険に加入していないとなると、場合により、人身損害の項目である慰謝料の増額事由になることもあります。

企業活動でも、自転車を活用することが増えていると思います。従業員が仕事で自転車を用いる場合、使用者責任の問題もあります。交通ルールの徹底を図ることはもちろん、適切に保険に加入することも必要なことと考えます。