客観証拠の重要性―事故解決の重要手段―

 喜田 純章

2020年10月15日

<ポイント>
◆交通事故において客観証拠は重要
◆ドライブレコーダーがあればそれだけで解決の方向が決まることもある

交通事故に限った話ではありませんが、法的な紛争解決に重要なのは「証拠」があるか、ということです。この「証拠」には客観的なものからそうではないものまで様々なものがあります。例えば、交通事故の当事者による供述は、事故を直接経験した者による経緯の説明が詳細に得られるという点で、重要な証拠ですが、人の供述には意図的にせよ、そうではないにせよ、誤りが入りうるので、それだけで事件の解決に直結するということはあまりありません。このような「非客観証拠」は、写真や実況見分調書などの「客観証拠」と矛盾しないかどうかという点で、厳しく審査されます。

ここにいう客観証拠のうち、自動車の損傷状況の写真や、事故現場の写真などは、どういう経緯で事故が生じたのかを判断する上で重要性があります。事故現場は時間がたってもあまり状態は変化しないでしょうが(事故後近々に工事が予定されているなどであれば別)、自動車の損傷などはできるだけ早めに写真で状態を保存しておくことがお勧めです。なぜなら、事故の後、別の事故でさらに同じ個所をぶつけたなどとなれば、どこが元の事故による損傷であるのかがわからなくなるという可能性があるためです。自動車に事故の痕跡があれば、どのように相手とぶつかったのかを推測できることもあります。
また、人身事故である場合、警察による実況見分がなされます。事故現場の道幅を測ったり事故に至る経緯の調査をしてその結果が書面化されますが、これが交通事故解決の決め手になることも多いです。

最近では、ドライブレコーダーを搭載している自動車が増えています。ドライブレコーダーに事故の一部始終が記録されていれば、当事者が言葉で説明しなくとも、事故状況が一目瞭然となります。裁判になった場合も、お互いの動きが見えるので、裁判所による心証形成に有効で、解決もスピーディーです。しかし、ドライブレコーダーでせっかく映像が記録されても、事故からしばらく経つとその映像が上書きされて無くなってしまうということがあり、それゆえに有利な解決ができなくなるケースもあります。ドライブレコーダーを搭載して事故にあった場合は速やかにその映像記録をパソコンやSDカードなどの記録媒体に保存して、いつでも警察や保険会社に提出できるようにしておくことが重要です。そのためにも、ドライブレコーダーの説明書をよく読み、普段から映像をどうすれば取り出すことができるのかを熟知しておくことが重要です。できれば、車両後方の記録もできるドライブレコーダーを搭載することがお勧めです。

普段から事故にあわないように気を付けることは大事ですが、いざとなれば証拠を確保することが重要となりますので、その点でも気を配るようにしたいものです。