交通事故により受領する損害賠償金と税金
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<ポイント>
◆などに課税はされ通常、加害者保険会社からもらう賠償金ない
◆ただし、事業所得に絡む賠償金については注意が必要

交通事故でケガを負う、大事な資産を壊されるなどした場合、加害者に対して損害賠償責任を追及し、損害賠償金を得ることになります。時々ある質問として、その損害賠償金に課税はされないのかというものがあります。
この点、所得税法では、加害者の保険会社からもらう賠償金等は非課税とされており、個人の損害賠償に関連して課税が問題になることはほとんどありません。その理由は、損害賠償とは、加害者から受けた損害について加害者にその損害分を穴埋めしてもらうというものであるので、被害者に何か利得が発生しているわけではないからです。そのため、交通事故でケガをしたことによる精神的損害に対する慰謝料も損害賠償の一部をなすものとして課税されないこととなります。
ただし、一定の場合は課税関係を生じる場合があります。損害を受けた資産が事業用の資産の場合について、国税庁のホームページで注意すべき場合が3つ挙げられているので紹介します(No.1700 加害者から治療費、慰謝料及び損害賠償金などを受け取ったとき|国税庁 (nta.go.jp)) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1700.htm
(1)商品の配送中の事故で使いものにならなくなった商品について損害賠償金などを受け取ったなど、棚卸資産の損害に対する損害賠償金などは、収入金額に代わる性質を持つものであり、非課税とはならず、事業所得の収入金額となります。
(2)車両が店舗に飛び込んで損害を受けた場合で、その店舗の補修期間中に仮店舗を賃借するときの賃借料の補償として損害賠償金などを受け取ったケースでは、この損害賠償金などは、必要経費に算入される金額を補てんするためのものであり、非課税とはならず、事業所得の収入金額となります。
(3)事故により事業用の車両を廃車とする場合で、その車両の損害について損害賠償金などを受け取ったケースでは、車両の損害に対する損害賠償金などは非課税となります。ただし、車両について資産損失の金額を計算する場合は、損失額から損害賠償金などによって補てんされる部分の金額を差し引いて計算します。なお、この場合、損害賠償金などの金額がその損失額を超えたとしても、全額が非課税となります。

心身または資産に加えられた損害につき支払を受ける見舞金は、社会通念上それにふさわしい金額のものに限り、非課税となります(ただし、何をもって社会通念上ふさわしい金額と言えるかはケースによりけりで難しい問題ではあります)。ただ、収入金額に代わる性質を持つものや役務の対価となる性質を持つものは、非課税とはなりません。

事業を行っている個人の方が交通事故で被害に遭った際に受け取る賠償金については、思わぬところで課税関係が生じることもあるので、担当の税理士の方とも十分に打ち合わせをして対応する必要があります。