執筆者:気まぐれシェフ
2013年06月15日

誘惑が多くて困る。

和食のお店に行くと、いい地酒が入ってますよ、今日はまぼろしの焼酎がありますよと甘い言葉に誘われる。焼き肉や中華に行けばビールがそりゃもう美味しいし、フレンチやイタリアンに行けば、ワインをいただかないわけにはいかない。料理とワインがびたーっとみごとにマッチした日には、あっという間にボトルが空っぽになる。そんな感じでお勘定のおよそ半分は酒代である。

デパ地下やスーパーに行けば、新鮮な食材や美味しそうなお惣菜や焼きたてのパンがずらりと並び、私のように誘惑に弱い人間を虎視眈々と狙っている。阪神百貨店の地下は特に近づいてはならない危険な場所である。お腹ペコペコでやって来た仕事帰りのカモに、色とりどりのお惣菜ストリートを歩かせ、仕上げにチーズにオリーブに生ハムコーナーで飲みたい気分をマックスにさせる。そんなカモがふと横を見るとどどーんとお酒売り場が!あらゆる種類のお酒が鎮座している。もはや手ぶらでは帰れまい。そうやってまんまと彼らの罠にはまるのである。なんとおそろしい。

家にいれば安全かというとそうでもない。飲みたいお酒に合わせて料理を作ってしまう。自分で自分の舌に合うものを作るんだから美味しいに決まっていて、当然グラスを重ねることになる。作りながら飲んじゃうし、料理が出来上がっても飲んじゃうし、結局消費量は家にいたところで変わらない。それにこれからはお風呂上りのビールが欠かせなくなる季節である。

そんなこんなで私はサケンゲル係数が高い。(サケンゲル係数=家計に占めるアルコール関連費用の割合。私の造語。)こんなにお金の流通に貢献してるんだから国からお酒手当とかもらえないんだろうか。それが無理ならお得意様感謝デーを開催するとか。今日は全アルコール半額!~なんて無理だよネ。
年金ももらえるかわからない昨今、そんな夢のような手当はさらにもらえるわけもなく、ここはひとつ、将来を見据えてサケンゲル係数を下げることにした。

飲まないという選択肢は到底ありえないので、とりあえず、家呑み用ワインを見なおしてみることにした。
ボトルよりもお得感のあるボックスワインを試すことにしたのだ。味がイマイチなイメージがあって今まで避けてきたが、ネットでの評価を見ると、意外と美味しくてびっくりしたというものが多かった。ワイン自体は蛇口のついた袋に入っていて密封されており、必要な分だけその蛇口から出すので酸化しにくく、飲み残しをどうするか考える心配もない。廃棄も簡単。ボトルよりも安価だし、いいことづくめのようだ。赤白2箱ずつ注文してみた。
間もなくずっしりと重いボックスがやってきた。さっそく試飲してみたがこれがなかなかグー。コルクをスポッと抜く快感と、コルクに染みたワインの香りを嗅ぐ儀式ができないのが寂しいが、家呑み用としては充分な満足度だ。容量は1箱3リットル、ボトル4本分。4箱だから16本分。これだけあれば秋までもつだろう。やれやれひと安心である。

キッチンに赤白並べて設置し、ささやかなワインバーが出来あがった。あとここにビールと焼酎と日本酒のサーバーを並べたらちょっとしたBARになるんじゃないの、グラスも棚に吊り下げてみたりしてさ、それから・・・と妄想は果てしなく膨らむ。いかんいかん、初心忘るべからず。BARを作ってる場合ではない、サケンゲル係数を下げるのだ。
以降、今のところ阪神百貨店の甘い誘惑に負けることなくボックスワインひとすじで頑張っている。やればできるのだ。

同じお悩みをお持ちの方にもゼヒおすすめしたいところだが、でも、これでいいのだろうか。
すでに3箱目が終わろうとしている。秋はまだ遠い。