執筆者:昭和芸能デスク
2008年08月15日

4年に1度のオリンピックが始まりました。
どの競技も選手が真剣に取り組む姿は感動を呼びます。
今年は時差がそれほどない中国・北京で開催されているので、時間を気にせず見られうれしい限りです。

取り沙汰されている不安材料がなければ現地へ行って応援したいところですが、それは断念してここのところは毎日テレビ中継を見て日本選手を応援しています。
やはり日本の試合はどれも結果が気になるもので、観戦しているとだんだん熱くなってきて、思わず力が入りその場で応援しているような感覚で声を張り上げてしまいます。
このときばかりは、留学先も友達のいるところも容赦はできません。

メールをあまりしない私はすっかり他の海外留学生とは音信不通になってしまいましたが、彼らは今どうしているでしょう。

まだ一度も中国に行ったことはありませんが、ソウル留学中にはたくさんの中国人学生と出会いました。
韓国内のチャイナタウンは意外にも寂れてしまっていますが、ソウル市内の通りには、以前ご紹介したジャジャン麺や酢豚など日本でもおなじみの料理が食べられる中華料理店をあちこち見かけます。
なんといっても人口が多いせいか、ソウルの出入国管理事務所では、手続きの窓口が「中国人」と「その他の外国人」の2つに分かれているほど韓国にも多くの中国人が行き来しており、私が通っていた学校でもたくさんの中国人学生と接する機会がありました。

上海から来たという絵の上手な女子学生と同じクラスになったことがあり、黒板に素敵な絵を描いて見せてもらったことがあります。
青島出身の学生とはカラオケに行って韓国語の歌を互いに歌ったり、中国の歌も聞かせてもらいました。
まったくの初対面なのに、自習室で宿題をしている私にいきなり韓国語の発音指導をしてくる学生がいて、実はその学生は私と同じ級の韓国語初心者だったという今でも笑えるエピソードなど彼らとの楽しい交流がいろいろ思い出されます。

彼らと接するたびにそのパワフルさに圧倒されていましたが、なかでも特に印象に残っているのは卒業必須のレポートです。
卒業学級では、筆記試験の中に卒業論文とはいかないまでも簡単なレポートの提出が採点項目にありました。
テーマは韓国に関わることならなんでも構わないというもので、歴史や現代の社会問題といったまじめな題材から、若者のファッション・流行、キムチについて書く学生がいるなど取り上げる題材や視点もさまざまです。

なかでも注目は、私のとなりのクラスにいた中国人学生で、その学生とは同じクラスになったこともあり、たびたび皆でご飯を食べに行ったりしましたが、その彼だけは『20年後世界最強国としての中国』というタイトルで、母国についてのレポートを一生懸命書いていました。
一つも韓国について触れられていなかったので、レポートのまとめを担当していた私のクラス担任の先生も少し苦笑しつつ受け取っていましたが、中国人パワーを象徴するようで妙に感心してしまいました。

今頃彼らもオリンピックを見て、私以上に熱く応援していることでしょう。

日本だけでなく各国選手が十分に能力を発揮して、この祭典が無事終わることを祈るばかりです。