執筆者:札勘スイマー
2014年09月15日

前回のエッセイにて、次の旅の目的地は『土方歳三ゆかりの地、函館』と記し、締め括りました。

そして、ようやく念願の『函館』を訪れることができたのは、今から遡ること4カ月前のことです。

数年前から、函館旅行を考えてはいたものの、直行便が出ている空港の問題から、なかなか計画を立てることなく時が過ぎていました。しかし、そんなことを言っていては一生出掛ける機会を逃すだろうと思い、今回の旅行を計画したのです。

出発当日、この日はゴールデンウイークの翌週ということもあり、空港自体の利用客はとても少なく、団体客はある1校の中学校の修学旅行だけでした。初々しい中学生の団体を横目で見ながら、私たちは自分たちの修学旅行当時を懐かしく思いつつ、旅へと出発しました。

久々の空の旅。新幹線や車での移動で外の景色を眺めるのが好きな私は、飛行機でもそれを実践します。
雲の合間から覗く地域を必死に見つめ、今どの辺りを飛んでいるのか機内誌に載っているフライトマップで確認。
複数のルートがある中、予測を立てる。暫くすると、機内のモニターで現在地を表示してくれるので、そこで正解が分かります。こんな機内での楽しみ方をしていると、往路では北アルプスを発見することができました。
5月でもまだ多くの雪が残っていた尾根は、とても美しかったです。

1時間40分後、函館空港に到着!
函館に下り立ち、やはり最初に出てくるフレーズは、北島三郎さんが歌う『は~るばる来たぜ~函館~』という歌詞。
私自身、この歌のフルコーラスは分かりませんが、頭の中でヘビーローテーションされながら、空港から市内へと移動したのでした。

ちょうどお昼前に差し掛かかり、1日目のランチを取ることに。北海道は、食の宝庫!!
事前に北海道在住の同級生や、北海道通の方から情報を入手していたので、ラーメン気分だった私たちは『塩ラーメン』のお店へ直行しました。

お店を探し回っている最中、目に飛び込んできたのは空き地や道端の至る所にあったタンポポの群生。
都市部で生活をしているとなかなかお目にかかれないですが、一生分のタンポポを見た!と感じるぐらいの多さで本当に驚きました。また、雪国ならではのフラットな縦型信号も珍しく感じました。

ガイドブックに添付されていた地図がとても分かりにくく、道に迷っていると一見少し怖い雰囲気を醸し出していたおじさんが、とても親切に案内をしてくださいました。これもまた、旅先での地元の方との触れ合いとして、記憶に残るものです。

なんとかお店へ到着し、出汁が美味しい塩ラーメンでお腹を満たした後、いよいよ観光の始まりです。

先ずは、新撰組土方歳三 最期の地である一本木関門へ。
ここは諸説いろいろありますが、箱館戦争の末期、土方歳三が銃弾に倒れたとされる場所です。
全国から訪れる土方ファンの手向ける花が絶えず、私たちも祈りを捧げました。

そこから、路面電車と徒歩にて五稜郭へ向かうことに。

何故、こんな敵から攻められやすい城を造ったのか疑問に残りますが。。。

ここで少し五稜郭についての説明をします。五稜郭は1857年に北方防備の目的で造られた日本初のフランス築城方式の星型要塞です。国の特別史跡に指定されています。また、幕軍と官軍の最期の戦いである箱館戦争の舞台となったことでも有名です。

五稜郭タワーから眺める五稜郭は、今回の旅の楽しみの1つ。
ここまで来ると観光客も増え、より旅行に来ている実感が湧いてきます。
お天気にも恵まれ、とても綺麗に見えていましたが、ただ1つ残念だったのが、1週間前であればソメイヨシノに囲まれている五稜郭を見れたということでしょうか。。。

五稜郭タワー(高さ107m)から下り、五稜郭の中を探索することに。
そこで、大きな枝垂れ桜を発見しました。ソメイヨシノの開花時期は逃しましたが、少しだけお花見もでき、大満足で五稜郭をあとにしました。

今回の宿泊先は、函館朝市のすぐ近くにあるホテルです。路面電車の駅からも近く、今回の旅では路面電車をフル活用していました。しかし、その路面電車にも難点があり、道路がガタガタで電車がとても揺れるのです。
函館の冬は、寒さが厳しいので、路面の状況が悪くなるのかなと考えたりして。。。

旅行2日目、この日の朝食は、函館朝市内で海鮮丼をいただきました。こちらには、約400もの店が軒を連ね、早朝からとても賑わっています。ここでは特に、中国からの観光客が多く見受けられました。

次に榎本武揚もつかったとされる湯の川温泉へ向かうことに。途中、湯倉神社や津軽海峡を見渡せる海岸を散策しながら、日帰り入浴ができる旅館へ。この旅館は11階に露天風呂があります。景色を一望しながらの日中の入浴はとても贅沢なひと時でした。

そして、今回の旅の1番の目的である夜景を見るために函館山を目指しました。

函館山は、標高334m 展望台からの眺めは世界3大夜景にも選ばれています。
頂上へはロープウェイで上がりました。夕方に到着したので、日没までまだ時間がありましたが、夕焼けを眺めながら夜景を心待ちにしていました。

ようやく日が沈み、待望の夜景が眼下に広がりました。この日が日曜日であったせいか、周囲は大勢の人で溢れ返っていました。
これで、日本3大夜景をすべて見ることができたのですが、順位をつけるとしたら1番はやはり夜景の距離が近い函館山かなと。夜景を堪能し、ロープウェイ乗り場へ向うも1時間待ち。帰りはゆっくりしながら、函館山近くの函館ハリストス正教会・旧函館区公会堂・元町公園・八幡坂などを散策してホテルへ戻りました。

最終日は、またまた土方歳三ゆかりの地へ。
供養碑のある称名寺へ出向き、お参りをしてきました。

そして、商業施設が建ち並ぶ赤レンガ倉庫群でショッピング。この日はワールドカップのサッカー日本代表メンバーが発表される日でもありましたので、お洒落なカフェにて休憩しながら発表を待っていました。

それからまた函館朝市へ戻り、両親のためにカニやウニなど北海道ならではのお土産を大量に購入して、帰阪の途につきました。

今回の旅行では、塩ラーメン・海鮮丼・活イカのお刺身・新鮮なネタのお寿司・地産地消をうたうメニューが豊富なファーストフード店・チーズオムレット(スイーツ)等々、あらゆる函館グルメを堪能することができ、大満足でした。

何年か越しに叶った函館旅行。あれだけ、楽しみにしていた夜景や土方歳三ゆかりの地を訪れることができて、この上なく嬉しかったのですが、その反面、目的を達成してしまった今、虚無感に襲われています。
また、このトキメキが湧き出てくるような観光地を探そうと思います。