執筆者:気まぐれシェフ
2010年12月15日

太ったよね?と指摘された今年の秋。
ああー、やっぱりそうなのか。
鏡に映る顔がまるまるしているし、スカートも心なしかぴっちりしていることはウスウス気づいていた。
あららーどうしましょバレちゃった、なんて思っている間にそこからさらに太ってしまった。スカートやパンツがどれもこれもキツくなってきたのである。

じゃあヤセようかな。そう思うだけですぐに体重なんて落とせる。これまでも危機は何度もあったが、あっという間にベスト体重に戻せていた。ダイエットとは無縁の人生だった。今回もそろそろヤセてやるか。余裕のよっちゃんだった。

ところが今回はちと様子が違う。ヤセるどころか、じわりじわりと数字は増えていく。
これはいけません。いけませんよ。
服が無くなってしまう。スウェットで勤務するわけにもいかないし、ワンサイズ上の服を買うのはなんだか負けた気がして気が進まない。
なんとかせねばなりません。

まずはこうなった原因を分析することから始めよう。

食べる量は?
もともとが大食漢である。満腹中枢がやられているかもしれない。周りの女子の小鳥がついばむような量ではとても足りないのだ。
ただ、夕食だけはおかずのみでご飯(お米)を食べていなかった。
それが今や、食べるラー油やキムチやお漬物など、ご飯にぴったりのお供に次々と出会ってしまい、いつの間にやらモリモリとご飯を食べるようになっている。
明らかに食べる量は増えている。

消費カロリーは?
今年の夏はひどく暑かったし、長かった。秋になっても暑かった。
これまでは仕事帰りや外出の際、1時間ほどの距離ならぷらぷら歩くことが多かったのだが、この暑さに負けて電車を利用していた。そして暑くなくなった今でもすっかり歩くことを忘れて電車に乗っている。
職場でほとんど外出することもなくスポーツもしていないので、貴重なカロリー消費タイムを失っていたことになる。

ただでさえ歳を重ねるごとに新陳代謝が低下して太りやすくなっていくというのに、食べる量アップ、消費カロリーダウン。これではいけません。

冬は夜道が暗いので徒歩帰宅はとりあえず保留とし、夕食にメスを入れることにした。
ただ、いきなり大盛りご飯がなくなるのはつらい。そこで、登場したのが糸こんにゃくである。なんといってもノンカロリーである。
こんにゃくはあまり好きではなかったのだが、これが意外とイケる。トマトソース和えやカレー風味、すき焼き味にキムチ味。立派に麺類の仲間として受け入れられる資格有り、である。
こんにゃくのまずさに辟易して夕食の量が減っていく、すなわち胃袋も小さくなっていく、という筋書きだったのだが、そんなこんなで胃袋が小さくなる様子は今のところ全く見受けられない。

誘惑もいっぱいである。
雑誌を見てもテレビをつけても新聞にすらグルメ情報が満載である。
今夜はお寿司だ。明日はお好み焼きを食べに行こう。次は中華だ。焼き肉も待っている。ケーキにおはぎにアイスクリーム。
そして一番いけないのは、それを断ち切ってこんにゃくをススる強い意志が私には無いことだ。なんでこんなに食べちゃうんだろう。どっうしておっなかが減るのかな~と「おなかのへるうた」を歌ってみたところでかあちゃんからの答えは返ってこない。うちのかあちゃんも答えを教えてほしい側である。残念。
こんにゃく療法は焼け石に水。体重は微妙な増減を繰り返すのみである。

いつものように誘惑に負け、家族や大好きな人達とワイワイ食べていてふと思った。
本当に悲しい時や落ち込んでいる時は何も口に入れられず、げっそりヤセてしまう。居心地が悪い人と一緒にいるときもそういえばお腹は減らない。体調が悪くても食べられない。
楽しいから、幸せだから、元気だから。だからモリモリいっちゃうんだ!これだけ順調に(?)体重が増加し続けているということは悩みの無い幸せな状態が続いているということなのだろう。
どっうしておっなかが減るのかな~の答えはきっとこれに違いない。

というわけで、分析の結果。
毎晩こんにゃく宣言は撤回、なるべくこんにゃく宣言に変更。
誘惑には素直に負けておく。
その代わりできるだけ運動する。
栄養バランスも考える。
毎日体重計に乗る。

いつまで経っても相変わらずまるまるしていたら、ダイエットに失敗したのではなく、それはとてもとても幸せだからなので、悪しからず。