事務職員のエッセイ

2020年05月15日
春から夏へ

新型コロナウイルス感染拡大防止のため外出自粛をし、通勤以外では、近くの商店街にしか出かけない日が続いています。
わずか数ヶ月のうちにこんなことになるとは想像もできなかったことです。
今私たちにできることは、不要不急の外出は控え、家にいること。
ドライブ大好きな私は、どこへも行けずストレスが溜まってしょうがありません。
それでも、自転車に乗って買物に行く途中で出会う花々にはとても癒されています。
花たちは自分の咲く季節をちゃんとわかっていて、3月になると街路樹のコブシの花が咲き、その後、サクラ、フジ、ツツジと次々に楽しませてくれます。

4月のある日。
テレワークの息子が仕事と子育ては大変だろうと、自宅待機のため保育園にずっと行けない孫の子守をすることにしました。
たまにしか会えない孫でしたので、2人だけの散歩は嫌がると思いきや、素直にベビーカーに乗ってくれました。
近くの公園のサクラは満開を過ぎ、時折舞う花吹雪に孫も花びらを掴もうと必死で手を伸ばしていました。
落ちた花びらを集めたり、チューリップの花壇の前では、♪チューリップを歌ってあげたりしました。
童謡を歌うなんて久しぶりのことだったなあ。
散歩からの帰り道、まだあまり喋れない孫が、道端に咲いている花を指さしては「アー、アー」と何か話しています。
「そうね、花がきれいね」と答えてあげるとニッコリ笑ってくれました。
コロナのことを忘れさせてくれた、ゆったりとしたひとときでした。

昨年引っ越して以来、駐車スペースの横に狭いながらも鉢植えの植物をいくつか置き、庭擬きを制作中です。
その中には、実家の庭から地植えのバラ、ツワブキ、センリョウを鉢上げしたものもあります。
バラは毎年ピンクの花が咲き乱れ、亡き母が気に入っていたもの。
花の育て方をインターネットの動画等でいろいろ調べたところ、花は剪定、切り戻しをしないといけないことを初めて知りました。
9月の初め、バラの枝を半分の長さまで剪定しましたが、秋には全く咲きませんでした。
ある時、植木鉢の下に黒くて小さな糞みたいなものが落ちていたので、葉をよく調べてみると、オンブバッタの雄でしょうか、小さなバッタが1匹いました。
葉を少し食べられましたが、かわいい虫を発見しうれしくなりました。
ツワブキとセンリョウの葉はその後元気がなかったので、思い切って地面近くまで剪定することに。

今年3月には、バラの枝がぐっと伸びて葉は元気よく、蕾もたくさんつけていたのには驚きました。
切りすぎたかなと心配していたツワブキは新芽が次々と現れ、今では20㎝ほどの高さに育っています。
何の変化もなく諦めかけていたセンリョウは、4月も終わりころ、地面近くに小さな緑色を発見しました。発芽したのでした。
バラは5月頃に咲くものと思っていましたが、わが家では3月末から1ヶ月以上次から次へと咲いてくれました。
花後の剪定といって、バラは散るまで待たず、終わりかけの時に剪定するとまたその枝が伸びて花が咲くとのこと。
こうして、花が咲くたび剪定し、切り落とした花は花瓶に飾り2、3日愛でるという贅沢な日々を送らせてもらいました。
いろんな花が一斉に咲き、花がらを摘んだり、切り戻しをしたりと花の世話は時の立つのを忘れさせてくれます。
先日は、モンシロチョウがマーガレットの蜜を吸っているところに遭遇しました。

さて、立夏も過ぎ、暦の上では夏の始まりです。
爽やかな風が吹き、新緑が眩しい季節となりました。
ゴールデンウイーク中の夏日だった日のこと。
洗車後の水溜りに、なんとアゲハチョウが水を吸いにやってきました。
遠出もできず少々鬱々としていましたが、珍しい場面に出会え、家でゆっくり過ごすことは満更でもないです。

このたび緊急事態宣言が延長されましたが、いつになれば終息するのか心配でなりません。
来場者をシャットアウトするため、見ごろを迎えた花を敢えて刈り取ったり、各地の祭りを中止したり・・・。
これ以上感染者を増やさないようにするためには仕方ないことでしょうが、悲しすぎます。
嗚呼、青空のもとマスクなしで思いっきり大声を出したい!
いつもの生活に戻れる日が一日でも早く来ることを願いつつ、もう少しの辛抱です。

カルメン