CGコードの改定について

 池田 佳史

2018年11月15日

<ポイント>
◆改訂CGコードに対応したガバナンス報告書は本年12月末日までに
◆政策保有株式について資本コストとの見合いを念頭に検証内容の開示を
◆諮問委員会を設置しない場合にはエキスプレインを

2018年6月1日にコーポレートガバナンスコード(本稿ではCGコードといいます)の改訂が公表されました。改訂CGコードにしたがってガバナンス報告書を提出する上場会社は上場規程の附則により本年12月末日までにする必要があります。
CGコードの原則を実施しない場合にはその理由の説明をガバナンス報告書に記載しなければならないので、今回の改訂により変更等された項目を実施せず、もしくは実施が間に合わずに理由の説明が必要となる上場企業もあろうと思います。
今回の改訂は、2017年6月1日に改訂前CGコードが実施された後、金融庁と東京証券取引所によるフォローアップ会議による議論を経て行われたものです。このフォローアップ会議は「投資家と企業の対話ガイドライン」も公表しています。

今回の改訂では、多くの原則、補充原則において変更、追加が行われましたが、本稿では、比較的小規模な上場会社にとって当面の課題となるであろう政策保有株式と独立した諮問委員会についてとりあげます。
政策保有株式については、従来は必ずしも縮減する方向での開示は求められていませんでした。
しかし、今回の改訂では「縮減に関する方針・考え方」と表現され、縮減する方向での方針・考え方を示すことが求められることになったというべきでしょう。また、その他、政策保有株式の縮減を妨げるような行為、取引きをしないよう求められています。
政策保有株式に関する重要な検討事項の一つは資本コストに見合っているかであり、これを具体的に精査して、検証の内容を開示すべきとされています。
資本コストに見合っているかどうかは、政策保有株式の保有目的に基づく発行会社との関係いかん(たとえば戦略的な提携目的による共同事業の運営か、一般的な取引関係の維持・強化目的なのか)によって数量化等できる場合もあればできない場合もあろうと思われます。
特に一般的な取引関係の維持・強化目的の場合には、資本コストに見合っているかどうかや収益性との関連性が不透明な場合が多く、精査内容の具体的な開示が必要となると思われます。

監査役会設置会社または監査等委員会設置会社であって、独立社外取締役が過半数に達していない場合には、指名委員会・報酬委員会などの独立した諮問委員会を設置することを求めることとされました(補充原則4-10①)。
今回の改訂で従来あった「例えば」や「など」が削除されて、同補充原則を実施するためにはこのような諮問委員会の設置が必要になったといえます。よって、諮問委員会を設置しない場合にはエキスプレインが必要と考えられます。
諮問委員会の構成については、指名・報酬などの重要事項について独立社外取締役が主要な構成員である必要があり、このような「客観性」、「透明性」の重要性を前提に、委員長を社外取締役にするか、構成員の過半数を社外取締役にするかなどの点について検討する必要があります。