平成22年分確定申告のポイント
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本年も所得税の確定申告の時期となりました。
還付申告については既に1月から始まっていますが、納付額のある人については2月16日から3月15日までとなります。
以下、平成22年分確定申告のポイントを整理してみます。

【確定申告の対象者】
1、確定申告をしなければならない人(主な例)
(1) 個人で事業を行っており納税額がある
(2) 不動産収入があり納税額がある
(3) 給与が年間2,000万円を超える
(4) 2か所以上から給与をもらっている
(5) 同族会社の役員等で、その会社に不動産や事業資金を貸し付け、使用料・利息を受け取っている
(6) 平成22年中に土地等の譲渡があった
(7) 給与所得者で給与以外の所得が20万円を超える

2、所得税の還付が受けられる人(主な例)
雑損控除、医療費控除、寄附金控除、配当控除、住宅ローン控除等を受ける人

【平成22年分申告の留意点】
主なものは次のとおりです。
1、生命保険金の二重課税分の還付
相続により取得した保険年金の受給者が受給する年金のうち、相続税の課税対象となった部分については、所得税の課税対象にしないとする取扱いの変更が昨年行われました。
これに該当する人は、確定申告または更正の請求をすることにより、所得税が還付される場合があります。
対象となるのは、平成17年分以後に支払いを受けた保険年金となりますが、期限がありますのでご注意ください。

2、寄附金控除
寄附金控除の適用下限額が2,000円(改正前5,000円)に引き下げられました。

3、住宅ローン控除
住宅の取得等をして平成22年中に居住した場合の住宅ローン控除は、一般住宅の場合、控除期間10年、住宅借入金等の年末残高の限度額5,000万円、控除率1%です。
長期優良住宅については、控除期間、住宅借入金等の年末残高の限度額は一般住宅と同じですが、控除率は1.2%となっています。

4、今年の申告には影響しない改正
年少扶養親族(扶養親族のうち年齢16歳未満の者)に係る扶養控除等が廃止されますが、適用は平成23年分からとなりますので、平成22年分は従来どおり控除できます。
また、生命保険料控除制度が改組され、従来の一般生命保険料控除、個人年金保険料控除に加え介護医療保険料控除が新設されて、適用限度額が各4万円となりますが、適用は平成24年分からで、それまでは従来の取扱いによります。

【確定申告書チェック項目】(平成22年分用)
1、所得金額
・営業・農業・その他の事業・不動産所得等については、収支内訳書の添付が必要
・給与所得等の源泉徴収票は、原本が添付されているか
・還付申告書を提出する場合は、給与所得以外の所得が20万以下であっても含めて申告
・損益通算のできる損失は、不動産・事業・譲渡(一定の居住用財産以外の土地・建物等を除く)・山林所得

2、所得から差し引かれる金額
(1) 医療費
・補てん金は、未収であっても、見積りにより控除
・差引負担額から10万円(または所得金額の5%か、いずれか少ない金額)を差し引いてあるか
・領収書の添付または提示がされているか
(2) 寄付金
・領収書、証明書等の添付がされているか
(3) 特定扶養親族
・扶養親族のうち、年齢16歳以上23歳未満の人(昭和63.1.2~平成7.1.1生まれ)で控除額は63万円
(4) 寡婦(夫)
・寡婦
 i)死別・離婚・・扶養親族または一定の生計を一にする子があれば所得制限なし
 ii)死別・・・・・合計所得金額が500万円以下
 iii)特別の寡婦・・扶養親族である子を有し、かつ合計所得金額が500万円以下
・寡夫
 死別・離婚とも一定の生計を一にする子があり、かつ合計所得金額が500万円以下
(5) 配偶者特別控除
・合計所得金額が1,000万円超なのに適用していないか
・控除金額は、最高38万円

3、税額から差し引かれる金額
(1) 配当控除
・対象となる配当所得は、剰余金の配当等
・控除額は、課税総所得金額1,000万円以下は10%、それを超える部分は5%
(2) 住宅ローン控除
・申告書の住宅借入金(取得)等特別控除欄の「居住年月日」等は、すべて記入があるか
・添付書類の不足はないか
 i)新築・中古家屋の場合・・
  家屋(土地)の登記簿謄本または抄本
  請負契約書または売買契約書の写し
  住民票
  住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
  昭和56年以前の中古住宅(平成17年4月以後取得分に限る)は、耐震基準を満たしたことの証明書
 ii)増改築をした家屋の場合・・
  上記i)の各種の書類の他に
  「建築確認の通知書の写し」もしくは「検査済証の写し」または「増改築等工事証明書」

4、その他
(1) 源泉徴収税額
・未払いの源泉所得税額も含めて記載
(2) 申告納税額
・黒字の金額は、100円未満の端数は切り捨て
(3) 予定納税額
・第一期・第二期とも、未納があっても記載