中間法人法について

【中間法人法の成立】
平成13年6月に中間法人法が成立し、平成14年4月1日から施行されています。
今回はその中間法人法について解説します。

【中間法人法とは】
中間法人法とは、同窓会や、PTA、親睦団体、ボランティア団体などが法人格(個人と同じように契約をしたり、所有者となったりすることができる資格)を取得できるようにすることを目的に制定された法律です。
これまで、法人は、株式会社、有限会社のように営利を目的とするものと、社団、財団法人やNP0法人のように公益を目的とするものに限られてきました。
その結果、そのいずれにも属さない同窓会や、PTA、親睦団体、ボランティア団体は、法人となることができず、そのため、建物を借りたり、預貯金をしたりする際には、団体名を使うことができず、代表者個人名で行わざるを得ず、代表者が変更するたびに契約をしなおしたり、名義を変更しなおしたりしなければならず、大変手間がかかっていました。
また、不動産を取得しても団体名義では登記できないため、代表者の名義にし、そのことが原因で紛争が発生したりしていました。
今回、中間法人法が成立したことにより同窓会や、PTA、親睦団体、ボランティア団体なども「中間法人」(会社のような営利法人と公益法人の中間という意味です。)となることができるようになりました。
これにより営利を目的としない団体は全て中間法人になることができますが、この制度を利用するかどうかは、その団体の意思に委ねられ、中間法人となることが強制されるわけではありません。

【中間法人の種類】
中間法人には2種類があり、個々の社員も団体と連帯(共同)して債務の支払いの責任を負う「無限責任中間法人」と、個々の社員は債務の支払いについて責任を負わない「有限責任中間法人」があります。
この点に関連して、債権者保護の見地から、「有限責任中間法人」には基金制度が設けられ、最低でも300万円の基金を準備しなければなりません。
また、この「有限責任中間法人」の基金の払戻には制限があり、定時社員総会決議において行わねばならず、しかも、返還される額に相当する金額が基金として積み立てられなければなりません。

【中間法人の運用】
中間法人においては、社員は定款の定めに従って経費を支払う義務を負います。
「有限責任中間法人」においては、基本的な意思決定機関としての社員総会のほか、業務の決定及び執行にあたる「理事」ならびに業務の監査を行う「監事」を定めなければなりません。
「無限責任中間法人」については、原則として法人の業務は社員の過半数により決し、各社員が業務の執行にあたるものとなっています。

【税務上の問題】
公益法人には、税務上の優遇措置がありますが、現在のところ、中間法人には税務上の優遇措置はなく、営利法人と同様の課税がなされます。