セクシャルハラスメントに対する企業のあり方
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平成16年9月29日、ダイエーの本拠地である福岡ドームなどを運営するホークスタウンの高塚猛氏が、「重大な法令違反行為」があったとして同社の取締役を解任されました。同社は、社内に「不正・ハラスメント問題調査委員会」を設置して問題の調査にあたっているとのことであり、同氏のセクハラ行為が解任の理由とされています。この解任劇に関しては、ホークスタウンの親会社が、もともと高塚氏の解任のタイミングを計っていたとの報道もありますが、セクハラ行為があったこと自体は同氏も争っていないようです。今回は、セクシャルハラスメントに対する企業のあり方について少し説明したいと思います。
セクシャルハラスメントとは、相手の意に反した性的な言葉や振るまいによって、労働条件を悪化させたり、働きにくくしたりすることをいいます。その内容は、不適当な発言から、犯罪にいたるものまで態様・程度はさまざまです。仕事上の権限や地位を利用して、性的な要求を行うものや、性的な言動により働きにくい職場環境を作出する行為がセクシャルハラスメントにあたるとされています。
セクシャルハラスメントがあるとの訴えがあった場合、企業としてどのように対応すべきでしょうか。
まず、被害者の言い分をきちんと聞き、事態を悪化させないよう迅速に対応することが重要です。特に加害者とされる者が社内で上位に立つ場合に、その者の言い分を先に聞いたり、被害者の言い分を軽んじたり、「大人なのだから自分で対応するように」と突きはなしたりすることは厳禁です。この問題に関しては、男性と女性では受け止め方が違う場合もあるので、調査を行う場合には女性を同席させることが望ましいと言われています。また、被害者の秘密を厳守することも重要です。
これらの対応を怠れば、会社が損害賠償請求の対象となるばかりではなく、イメージダウンにもなりかねません。逆に迅速かつ適切に対応すれば、企業に対し損害賠償請求がなされることは稀なようであり、少なくともイメージダウンは最小限に止めることが可能です。企業としては、ことが起こったときの対応策のみではなく、常日頃から、相談窓口を設置する、ミーティングや講義などを活用して良好な職場環境を確保するよう取り組みを行うなど、セクシャルハラスメントが行われにくい社内風土をはぐくむことが重要です。