金額が大きいのにいい加減な工事請負契約

 高橋 英伸

2018年03月15日

<ポイント>
◆高額なのにいいかげんな契約が目立つ工事請負
◆見積書、契約書、工事前・工事中・完成後の写真を必ず作る
◆交渉経過・重要事項の説明などについて記録化を図る

大規模な工事はともかく、工事代金数十万円~数千万円の中小の工事請負に関する相談は、まずもって契約や交渉内容がいいかげんな案件が目立ちます。

例えば、
1 数通の見積書があるがどの代金で約定したかが不明。
2 見積書と契約書がなく請求書だけがあっていくらで代金を合意していたのかが不明。
3 工事内容の記載が簡単過ぎて何を請け負ったのか詳細が不明。
4 工事が遅延し又は費用が増えた場合に、施主・元請・下請の間で代金・費用・損害賠償についてどのように調整するかが事前に想定されていない。
5 担当者間のやりとりが口頭あるいは文言のいい加減なFAX・メールでなされており、当事者間でどのようなやりとりがなされたのか復元が困難。

なぜ金額が大きい取引なのに契約内容等がいい加減な事例が少なくないのかは不明です。

いいかげんな契約内容等でトラブルが発生した場合、約定が定かでないため双方が自己に都合のよい解釈を主張してトラブルが拡大・長期化し、弁護士が介入して費用が嵩んでいきます(なお、取引上のトラブルに関して非のある方に弁護士費用を賠償してもらうことは原則困難です。)。また、工事請負上のトラブルで代金をもらえずに倒産の危機に直面する業者も少なくないようです。

当たり前のことではありますが、施工開始前に見積書、契約書を作って何をいくらでどのような条件で作るかを明確に合意して、工事の状況を撮影しておけば、トラブルを未然に防止し、または、トラブルが発生しても早期に解決することが可能です。

金額が大きいのに契約がいい加減でトラブル発生・拡大。
弁護士への典型的な相談内容です。