株主間契約とは?

 森田 豪

2018年05月01日

<ポイント>
◆共同出資状態での会社運営のルールや株式の取扱いについて定めるもの
◆会社法のルールを修正する条項がおかれることが多い

会社に複数の株主がいることにより共同出資の状態となる場合、株主間で「株主間契約」や「株主間協定」といった契約書を交わすことがあります。
たとえば、もともとは経営者が全株式を保有していたベンチャー企業がべンチャーキャピタル(VC)に株式を割り当てて資金調達する場合、株式発行により経営株主とVCとの共同出資状態となります。
以後の会社運営のことを考えて株主間契約を交わす必要がありますが、特にVCは投資実行の条件として投資契約や株主間契約の作成を要求してくることが通常です。

株主間契約は共同出資状態での会社運営や株式の取扱いなどに関するルールを定めることを目的とします。
具体的な条項としては、会社法のルールを確認する条項がおかれることもありますが、会社法のルールを修正することを意図した条項が多くおかれることが通常です。
たとえば、取締役の選解任は株主総会で過半数を占める株主の意思により決定されるのが会社法のルールです。
これに対して株主間契約では、持株割合が20%、30%といったように過半数未満ながら一定のまとまったシェアをもつ株主が持株割合に応じて取締役を指名できるように定めることがあります。少数派株主の意思により取締役を決めるという点は会社法のルールを修正していることとなります。
過半数出資まではいかずとも、リスクを引き受けて投資をする以上取締役会の意思決定に参画できるようにしておきたいと考える投資家は、こうした取締役指名に関する契約条項を要求してきます。

以前、「投資契約書」についてご説明させていただきました。
2013年9月1日掲載「投資契約とはどのようなものか?」(第1回)(第2回)

その際に言及した条項は株主間契約書におかれることもあります。
「株主間契約書」と「投資契約書」の双方を作成するかどうかはケースバイケースです。
外部株主が1名だけであれば、株主間契約に盛り込むような条項も投資契約書に一緒に盛り込んでしまうこともできるでしょう。
それに対して、段階的に複数の投資家から資金調達していく場合であれば、投資契約書とは別に株主間契約書を作成しておく方がわかりやすいだろうと思われます。

また、投資契約書にせよ株主間契約書にせよ、規定外の事項については会社法や民法といった一般的な法令が適用されます。

契約書について気になることがあればご相談ください。