債権法改正案の行方

 森田 豪

2016年12月15日

<ポイント>
◆債権法改正の成立は早くても来年の通常国会
◆施行は公布から3年以内(具体的には政令で定める)
◆相続法改正も将来予定される

債権法に関する広範な改正を内容とする民法改正案が昨年(2015年)3月に国会に提出され、基本法の大改正ということで当時はそれなりに報道でも取りあげられていました。

その後この法案がどうなったかというと、安保関連法案など他の法案の審議に日数がかかった影響もあり、同年の通常国会では審議入りすらしませんでした。
そのうえで廃案までは免れて継続審議という扱いになり、今臨時国会でいちおう審議開始されましたが、やはり他の法案より優先順位は低い扱いのようで成立しないまま閉会を迎えることになりそうです。
そうすると、債権法改正が成立するのは最短最速でも来年の通常国会のこととなります。
予算や他の政治色の強い法案の審議の影響を再び受けることもあるかもしれません。

仮に改正案が成立したとして、法律として適用されるのは施行日からです。
法案によれば債権法改正の施行時期は「公布から3年を超えない範囲で政令で定める日」とされています。
国会での議決から公布まではさほど日数はかかりませんが、その後施行までに最大3年かかるということになります。これは市民や企業が新しいルールに対応できるようにするための準備期間です。適用を受ける対象者の範囲が広い民法の性格を考慮して、公布から最大3年という長めの準備期間がおかれています。
政令で公布後間もない時期を施行日として定めることはまず考えにくいでしょう。

そうすると、仮に2017年に債権法改正が成立した場合でも、施行は2020年中という見込みになります。
契約書改訂など改正法への対応の必要性の程度は業種によりますが、スケジュールについていえばこのようになりそうです。

また、債権法改正につづき法務省では相続法改正に向けた検討がなされています。
今年6月に公表された中間試案では具体的な改正内容がまだ特定されていない部分がありますが、債権法改正よりもむしろこちらの方が影響が大きいのではないかとも思われる内容です。
相続法改正の問題についても時機をみて取りあげてみようと思います。