サービサーと弁護士法の関係

 片井 輝夫

2004年11月15日

最近、無資格で債権回収業務を請け負っていたとして、外資系と思われるサービサーの米国人社長が、債権管理回収業に関する特別措置法と弁護士法違反の疑いで逮捕されました。
サービサーというのは、金融機関などから不良債権を買い取ったり、債権回収の代行を専門に行う会社です。
弁護士法第72条は、訴訟あるいは和解などの法律業務は、原則として弁護士以外の者(例外としては弁理士、司法書士、税理士は、特定の法律業務を行えます)が業として行うことができず、また第73条は、他人の権利を譲り受けて訴訟、調停、和解その他の手段によって、その権利の実行をすることを業としてはならないと規定しています。
このように、従来、債権回収業務は、弁護士にだけしか許されていませんでしたが、平成11年から債権管理回収業に関する特別措置法が施行されて、この業務が民間に開放され、多くのサービサーが業務を開始しています。
この法律は、金融機関の不良債権処理を促進させるためのものですが、債権回収という業務の性質上、放置すると行き過ぎた不当な取立てが行われる危険性があるため、許可制にして行政の監督下に置くことを目的としています。5億円以上の資本金があること、暴力団の関与がないこと、取締役に1名以上の弁護士が就任していることなどが許可の条件となります。
逮捕された外国人社長は、「社会的ニーズがある。日本の法律が遅れている」と述べているそうです。確かに、ニーズがあることはそのとおりですが、この業務に法的規制をかけている我が国の法律が、規制しないまま放置している国の法律より遅れているとは決して思えません。
最近、債権回収代行会社を装って、各種サービスの利用料金など様々な債権の取立てと称して、詐欺的な行為が行われていますので、気を付けましょう。