執筆者:イスラム建築マニア
2013年11月15日

11月はじめの連休に、貯まったマイルで、モロッコのフェズに2日とトランジットのイスタンブールに1日だけ、一人でササッと行ってきました。
どちらも前に行ったことのある町ですが、この2つの町はイスラム建築の中でも特にタイルの美しい町です。フェズは幾何学模様のモザイクタイル、イスタンブールは青を基調とするチューリップなどの模様のタイルと、タイルのタイプが違います。今回は、美しいタイルに癒されに行ってきました。
イスラムのタイルの好きな方には、こんな短い旅行にピンポイントでフェズを選んだ点を「さすが、イスラム建築マニア!」とお褒めいただけることでしょう。

フェズに行くには、関空からイスタンブールまで13時間半のフライトの後、さらに5時間のフライトで、まずモロッコのカサブランカにある国際空港に行きます。そこから電車で約30分でカサブランカ市内にあるカサボヤージュ駅(各方面行きの電車が停まる中心駅)に行きます。そこからさらに電車で4時間でやっとフェズ駅に着きます。乗り物でも何でも寝たい時に自由に寝られる私にとっては普段より充分な睡眠が取れ、準備万端でフェズに到着です。

フェズの旧市街(メディナ)は、周囲を城壁に囲まれた、細い路地が縦横に張り巡らされた迷路のような町です。中心の道から外れると、一列にならないと歩けないような狭い道がほとんどです。
メディナのメインロードとなる道の左右には店が並び、市場のようになっています。車は入れません。たまにロバに出会います。ロバが通るとメインロードでさえ、幅いっぱいになります。
このメディナの中に幾つものモスク(イスラム教の礼拝所)や水飲み場となる泉があります。これらがみな美しい幾何学模様のタイルでできています。狭い通りから空を見上げれば美しいモザイクのミナレット(モスクへの礼拝の呼びかけを行う塔)が見えます。フェズの人には当たり前の景色で、誰ひとり気にも留めていませんが、私はいちいち感動して写真を撮っていました。
中でもフェズで私が最も好きなのがネジャーリン広場の泉です。タイミング良く黒い民族衣装の方が水を飲みにやってきました。ほんの日常の風景なのに絵になります。普段なら人が去ってから写真を撮るところですが、フェズでは人もアートです。

▲ネジャーリン広場の泉

▲ブー・イナニア・マドラサ (神学校)

それと今回はフェズではもう一つ、リヤド巡りをしてきました。リヤドとは、噴水や木々のある中庭を取り囲むように部屋が配置されている、邸宅を改築して宿泊客を受け入れるようにしたプチホテルです。
フェズの町は、左右を高い壁に囲まれた細い路地に玄関のドアだけがあります。外からはそれがリヤドだなんてわかりませんが、一旦中に入ると、光の降り注ぐ美しい中庭が現れ別世界が広がります。これがまた癒されます。3泊毎日違うリヤドに泊まりました。少しずつタイプは違いますが、共通しているはモザイクタイルの美しさです。

▲リヤドの中庭の柱

▲モザイクタイルの工房

モロッコでは最後にカサブランカにあるハッサン2世モスクに行きました。中は白一色で、彫刻は凝っていますが、だだっ広く教会のようで好きではありませんが、このモスクは外壁のモザイクタイルがとてもきれいです。敷地がやたら広く、入り口から建物の壁のこのモザイクタイルに近づくまで10分くらい歩きます。

▲ハッサン2世モスクの外壁1

▲ハッサン2世モスクの外壁2

そして、最後にトランジットで1日だけイスタンブールに寄りました。イスタンブールも前にも行っていますが、ここのブルーモスクは私の最も大好きなイスラム建築なので、また行ってしまいました。前回もまるでイスラム教徒が礼拝に行くように、イスタンブールにいる間、毎日通っていました。今回もバザールを見たり他のモスクを見たりしながら、合い間に1日のうちに何度もブルーモスクに行きました。ブルーモスクの中で美しいタイルに囲まれていると、本当に気分が安らぎ癒されます。

▲ブルーモスク

イスラム教は偶像崇拝を禁じているので、建物の外観の形や幾何学模様や緻密なアラベスク模様が進化しました。縛りがあるからこそ工夫を凝らして生まれた美しい芸術です。 私はイスラム教徒ではありませんが、イスラムの建築やイスラムの芸術を愛してやみません。
ふらっとフェズとイスタンブール、美しいタイルに癒されにまた行きそうな気がします。