執筆者:昭和芸能デスク
2007年08月15日

今月初めに、作詞家の阿久悠さんが亡くなりました。
毎週楽しみにしていた新聞連載コラムが6月から休止になっていたので、少なからず気にはなっていたのですが、そのずいぶん前から闘病生活を続けられていたとはまったく知りませんでした。大変残念です。

阿久さんといえば、
『勝手にしやがれ』
『あの鐘を鳴らすのはあなた』
『また逢う日まで』
『狙いうち』
『UFO』
『舟唄』
と作詞した曲を列挙すれば枚挙にいとまがありません。

私がこうして例を挙げるまでもなく、訃報を受けて新聞やテレビ等でも取り上げられているように、数々の作詞を手がけ、昭和の歌謡界において稀代のヒットメーカーとして有名な阿久さんですが、私はエッセイストとしても大好きでした。
いつも読むたびにふむふむと納得する含蓄のある文章で、厳しくも温かい目で社会を見つづけているのが伝わってきました。
言葉が浮かれていたり、膨張していたり、汚くなっていたりするのを社会や人の変化と重ねあわせて鋭く突いた文章は、その時代時代を巧みな歌詞で表現した作詞家ならではだと思います。

エッセイは読めなくなって寂しい限りですが、歌はこれからも残っていくことでしょう。
テレビっ子の私にとっては、毎年夏はすいかを食べながら昭和のヒット曲の特集番組を見るのが恒例行事になっていますが、おそらく阿久悠さんの作詞した曲もたくさん聴かれると思うとこの夏もとても楽しみです。