執筆者:昭和芸能デスク
2018年09月15日

今年も残すところ3ヶ月余。
1年を振り返るには少々気が早いかもしれませんが、いよいよ来年には元号が変わるとあって、早くから巷では「平成最終の…」とか「平成最後の夏」といった謳い文句が踊っていました。
「最後」などと言われると、気持ちが煽られ、何か特別なことをしなければならないような気分にさせられます。

一方、全国各地で自然災害に見舞われた年でもあり、大阪でも地震に続き、大きな台風もやって来て、いつになく大変な年となりました。
この30年間、大小の違いはあれど、辛いことや悲しいこと、嬉しいこと楽しいこと、さまざまなことが訪れ、私も含め多くの人が一喜一憂しながら日々を過ごしてきたことでしょう。

長いような、短いような、30年。
昭和に親しんできた者としては、「新しい年」だったはずの「平成」がもう30年経つのかと感慨深いものがあります。
その年ゝに思い浮かぶ風景があり、いろいろな情景とともに歌も思い出されます。
最新曲だと思っていた歌の数々も、久しぶりに聞くと、もうすっかり懐かしいものに感じ、時の流れにしみじみとしてしまいます。

そんな中、「昭和」芸能デスクといえども、とうとうこの日を迎えた「平成」の「歌姫」について、やはり触れずにはいられません。
そう、「安室奈美恵 引退」です。
いろいろあった平成の世。
数年後顧みた時、きっと大袈裟でなく、年表の最後の年の1行に加えられるであろう「平成」最後を象徴するような出来事のひとつです。
元号が変わってもまだどこか昭和をひきずっている中、「平成」は彼女の登場で始まり、彼女の引退で締めくくられるといっても過言ではありません。

平成初期の世相を振り返る時、必ずといっていいほど取り上げられるのが、世にいう「アムラー」現象。
当時の少女たちは、こぞってファッションを真似して街を闊歩し、至る所で続々と「アムラー」が出現していました。
いつしかそんな少女たちのカリスマも40歳。
その後の生活は悠々自適でしょうから、早々の引退も羨ましい限りですが、一般社会なら働き盛りの年。
デビューから変わらない姿でパフォーマンスしている安室ちゃんを見ると、引退なんて勿体ない気もします。

25年ずっとスポットライトを浴び続けてきた安室ちゃんですが、彼女の人生もまた波瀾万丈という言葉がふさわしい、光と影が混在した、私が定義する「歌姫」そのものです。
小柄ながらエネルギッシュに踊って歌い、「平成」と共に走った彼女の姿には、そうした彼女が背負ってきたものも含め、辛いことや嬉しいこといろんな思いが相まって、感嘆と称賛の言葉しか出てきません。

最近、各界でいろんな人が引退を表明しています。
過ぎ行く「平成」に、既に郷愁が芽生えた方も少なくないのではないでしょうか。
懐古趣味の私など、早くも「平成」にノスタルジックな思いを抱いています。

次の時代は、どんな元号になるのでしょう。
新しい年号の世は、穏やかな時代であってほしいものです。