執筆者:昭和芸能デスク
2009年02月15日

受験シーズン真っただ中です。この時期受験生やその周りの人たちは落ち着かない日々を送ることでしょう。

韓国は日本以上に学歴に敏感で、テレビなどで歌手や俳優が眼鏡をかけて登場するのをよく見かけますが、それは『眼鏡=インテリ』というイメージがあるため眼鏡をかけていた方が好印象だからという説があるほどです。
この説が本当かどうかはわかりませんが、芸能人にも高学歴が求められる傾向にあり、韓国が学歴社会だということは留学当時にもしばしば感じました。

韓国では、日本でいうセンター試験のような大学入試が、11月に大学修学能力試験として行われます。
「試験に合格する」という意味で「試験に『くっつく』」という韓国語の表現があるのですが、そこで受験シーズンの近くになると、文房具や雑貨屋さんなどの店内にはいろいろな種類の飴が並びます。
日本でも『きっと勝つ』などの語呂合わせで、お菓子などの商品が販売されるようなもので、うまく試験に『くっつく』(合格する)ようにという願かけで、多くの飴が売れるのです。
しかも日本とは違ってずいぶん前から慣習としてあったようで、受験校の門の前にしがみつくようにして水飴をくっつける父兄の姿をニュースで見たことがあります。

また、日本ではちょっと信じられませんが、警察が受験生を試験当日に受験校まで送ってくれたりもするようです。
国を揚げてというところが、何にでも熱い韓国のお国柄だなあという気がします。
外国語の習得においても熱心で、特に英語熱が高く、ソウル市より北西にある京畿道に、国策として英語村というテーマパークが昨年できたという話はそれを象徴するようです。

こうした学歴社会による学校の格差を解消するため、ソウルの高校では入学試験をしない学区制をとることになっているそうです。
しかし、富裕層が多く住んでいる江南地区(ソウルを南北にわける川・漢江から南側)に有名進学校が偏ったため、受験生の家族らがその学区内に次々転居してしまって社会問題になっています。
さらに高校での1時限目の授業前に学習する「0時限目」の是非が話題になっていたこともありました。夜も9時、10時まで学校で皆が勉強するところもあるとのことです。
今から6、7年前の留学当時、日本の団塊の世代のような元気な世代である「368世代」(当時30歳代、60年代生まれ、80年代に学生時代を過ごした世代)の先生は、そのような高校時代を振り返って、朝早くから夜遅くまで学校で勉強していたけど、友達とわいわいしながらだったので充実していて楽しかったと当時を語ってくれました。

韓国人の勉強熱心さは、大学に入学してからも続きます。
留学先の延世大学本学キャンパス内にある図書館は、試験前でなくても朝から学生でいっぱいでした。
学生は早朝授業前に少し勉強した後、かばんなどで席をとっておいて、授業終了後にまた勉強。
タブルスクールも当たり前で、多くは英語やパソコンなどの予備校に通っているようです。
社会人になっても、通勤前に勉強する人も珍しくありません。
韓国人は本当に勉強好きだなあと実感します。

就職率はそれほど以前からよくなく、当時の下宿生の中には、有名女子大を出た後、教育大学に入学しなおしていた人もいましたし、私の友人も大学を卒業後、久々に会ったら再び大学生になっていました。
この不況でなかなか思うような就職がさらに厳しいようですが、めげずにがんばる姿勢を見習いたいと思います。