執筆者:昭和芸能デスク
2014年08月15日

通勤途中や帰りの電車の中で、スマホのゲームに熱中している人の姿をよく見かけるようになりました。
若者だけでなく、サラリーマン風の中年男性など年齢層も幅広くなっているようです。
私の友人の多くもオンラインゲームなどを楽しんでいるようですが、アナログの私は、この流れになかなかついていけずにいます。
遡るとファミコンもあまりしない派でした。
その前にゲームウォッチなるものが流行って少ししてみましたが、その後のたまごっちブームにもあまり乗りきれませんでした。

外に出てのゲームならしたのかというと、やはりゲームセンターにもあまり行ったことはありませんが、たまに前を通りかかると、通りすがりの人たちの目を止めるほどすごいゲームの達人がいたりするもので、周囲に人だかりができるほど人々の注目を集めている光景をたまに見かけます。

逆にまったく見かけなくなったものは喫茶店の中のインベーダーゲーム。
一時期は、喫茶店のテーブルが必ずといっていいほどゲーム機の台になっていました。
なんだかんだ言いながら、当時から大人もゲームしていたんですね。
そう考えると、いたるところにゲームが氾濫していて、自分ではゲームの世界とほど遠いと思っていても、案外、昔からゲームに触れていたのだなと感じます。

今のゲームの主流はバーチャルの世界だと思いますが、ここ数年、体感型あるいは参加型ゲームと呼ばれるものが登場しています。
いわゆるインターネット上の脱出ゲームを現実化したようなイベントです。
子どもの頃からホームズや明智探偵などが活躍する推理・探偵ものを読むのが好きだったので、タイトルがまさに「オリエント急行からの脱出」というので、飛びつきました。

私が参加したゲームは、以前にテレビで紹介されていたものとは違ってかなり小規模で、街の小さなライブハウスのような所で行われましたが、人気アニメとのコラボ企画で、アニメの主人公たちが度々登場してヒントをくれます。
体感型エンターテイメントとも呼ばれるジャンルで、主に特定の場所に隔離されたというような設定で、参加者が文字だけでなく図形や絵で描かれた暗号カードなどを頼りに謎を解いていき、最終的にすべての謎が解ければその場から脱出成功というものです。

1チーム6人で、当日13組がエントリーしていました。
学生さんらしいグループや小さな子どものいる家族連れ、カップルからおひとり様までたくさんの人たちが参加していました。
私は友人2人と一緒に参加し、同じ組にはその他にカップル1組と、今回で3回目の参加になるという女性1人とでチームになりました。
もちろん、お互いに初対面でしたが、何と言っても団体戦。協力して謎を解いていかねばなりません。
制限時間は90分。
時間との戦いでもあるので、テーブルに置いてあるカードを数枚ずつ配って、壁に貼ってある暗号カードを写真に撮る人など役割分担を決め、それぞれが暗号解読をしたものを見合わせて…と知らないもの同士皆で手分けして謎解きにあたりました。
しかし残念ながら、健闘むなしく私たちは脱出ならず。

「あと30分あったらなあ」と司会者の解説を聞いていると、答えには続きがあって、冒頭のヒントに遡って暗号を再び解いて最終解答が出るというさらにひねったものでした。
結局、脱出できたのは、13組中1組だけ。にわかチームではなく、6人1組で来たらしい若者のグループでした。
「あんなどんでん返しがあるなんて…。」
「あと30分あってもたぶん手前の答えで終わってたな。」「もうあと30分要ったなあ」「も一回やりたいな」と仲間たちと互いに言いあいました。
うまくできたもので、あと30分いや1時間あったら自分たちも解読できたのにという悔しさが、もう一度挑戦したいと思わせるのです。

つい先日、BS放送でシャーロックホームズの再放送を見ました。
といっても、そこは昭和のわたし。
数年前に公開されたロバート・ダウニー・Jr主演のアクションムービーでなく、ベネディクト・カンバーバッチの「シャーロック」でもなく、露口茂さんの吹替えが渋いイギリスBBC放送の20年以上前のものです。
その放送を見ながら、ああ、あの場にほんとにホームズがいてくれたら脱出できたのにと思いました。