執筆者:きまぐれシェフ
2012年06月15日

ついに、念願のiPadを買った。
もちろん、新型iPadである。

何がそんなにいいのかって?

第一に、パソコンをいちいち立ち上げる必要がない。
ウチでは普段はパソコンの電源を切ってあるので、まずコンセントを挿して、電源ボタンを押して、立ち上がるまでじっと待つ。ふと調べたいことがおきても、その間にほかの用時をしていたら、もうどうでもよくなってきたりしてしまう。
iPadだとインターネットのマークに触れるだけ。1秒である。
しかも、コンパクトだから、寝っ転がりながらでも、移動しながらでも、どんな状態でもまったくもってのストレスフリーである。充電コードだって、パソコンみたいに重い黒い箱みたいなやつなんてついてない。ファッション雑誌より全然軽いから、外にだって気軽に持ち出せる。

第二に、操作が簡単である。
説明書なんて一切なくても直観的に操作できる。しかも、必要なアプリケーションだけをダウンロードして、自分好みにカスタマイズできるのである。

第三に、スマートである。
どんなに性能が良くても外見がイマイチでは、持っていても自慢にならない。今までの概念を打ち破る斬新なデザインと美しさをともなっているからこそ、世界中に熱狂的なAppleファンがいるのである。

思い返せば、最初は、iPodが欲しかった。
今までの音楽プレーヤーとはまるで違うそれは、持っているだけでその本人までもをおしゃれな人であるかのように見せてしまう。
ただ、その頃は、Apple製品に限らず、質を見極めずにうわべのカッコよさに安易に流されていく人々に違和感を覚えていたので、その一員になってしまうことにいささか抵抗があった。
ほんとにそんなにiPodは良いわけ?猫もシャクシも嬉しそうに持っちゃってさー。Appleかぶれってやつだねー。
素直じゃない性格もあいまって、結果、音質に定評のある馴染みの深いウォークマンを選んだ。確かにウォークマンの音質はすばらしく十分に満足だった。でも、iPodを持っている人を見かけるたび、「後・悔」の2文字が私の頭をぐるぐるとまわり続けた。

そして、iPhonの登場である。

やせ我慢は体に良くない。人間、素直が一番!今回こそ、手に入れたいところである。
ところが、大きな障害がそこには立ちはだかっていた。
他キャリアを長年愛用している私にとって、ソフトバンクにいまさら乗り換えることなど気軽にはできないことだったのだ。そんなに知り合いが多いわけじゃないけれど、それでも連絡先が変わるというのはえてして不便なものである。しかも、家族間通話無料や長期契約者ならではの色々なサービスも受けている。さらには新機種に変えたばかりで2年間の分割返済中である。しかも海外用と国内用の2つも。乗り換えられるはずがない。

手に入らないと分かれば余計に欲しい気持ちは強くなる。このいかんともしがたいモヤモヤを解決する妥協案として、せめてスマホに機種変更しようかと思い始めた頃、ようやく携帯本体料金の支払いが終わった。なんだか呪縛から解き放たれたような感覚になり、押さえていたiPhoneへの情熱がまたふつふつと沸いてきた。あかん、欲しい。欲しすぎる。

そして、その日は突然訪れた。
たまたま家電量販店に立ち寄ったとき「iPhone在庫あります」とのアナウンスがー!!その頃、在庫無しの状態がいつも続いていたというのにである。もう、これは運命だ。

そのままご購入とあいなった。

手続きにはしばらく時間がかかったが、念願のiPhone所持者になるのだ。いくらでも待ちますやん。
早く触ってみたーい。指でシャシャーッとかピッとかやってみたーい。
言われるがままに次から次へと出てくる書類にサインをし、ついに、iPhoneの箱がダダーンと登場した。
「それ、私の?」思わず声をあげると、お姉さんが「そうですよー」といいながら、ぱかっと箱を開けた。取り出されたiPhone様にもう目が釘づけである。
そーっと出してくれよ、傷なんてつけるんじゃないぞー。
「初期設定しますねー、いいですか」「???」
なんのことだ、と思っているうちに、お姉さんは素手で私のアイちゃんをむんずとつかみ、あろうことか、除菌もしていないその指で、あこがれの液晶画面をシャーっとなぞったのである!
やーめーてー。
私が一番に触るんだよおーーー。おごそかに自分の手で電源ONしたかったんだよーーー。クスダマ割りたいくらいの気分だったんだよー。
時すでに遅し。無情にも、お姉さんは慣れた手つきでアイちゃんを触り続ける。
ああ、よその人にガンガン触られてるよ、私のアイちゃんが・・・。
そして「これで手続きはすべて終わりです」ようやく私の元にやってきた。初めまして、アイちゃん・・・。嬉しいような悲しいようなほろ苦い出会いとなったのであった。

世界の固定概念をくつがえし続けてきたスティーブ・ジョブズ氏。彼のおかげで私たちは未来に急速に近づいたと思う。これからももっともっと先の未来を見せてほしかった。彼に畏敬の念をいだきつつ、今後の新たな製品開発に大きな期待を寄せる毎日である。
次に狙う標的は、MacBookAirとAppleTV。
リンゴ熱はまだまだ治まりそうにない。