2010年04月01日

趣味が読書というと、なんだか趣味がなくてやむを得ず言っているという感じがするので、あんまり言わないようにしているのですが、本を読むのが大好きです。
休日は家族で買い物のついでに本屋さんによるのが定番のコース。子ども達は子どもコーナーへ。大人はいろんなところをうろうろして、それぞれ戦利品を手に家路に着きます。
購入した本の紙をめくって活字を目で追っているだけで、幸せ感があふれてきます。
漫画も好きですし、エッセイも大好きです。
中でも特に好きなのが小説です。
夢中になって読んでいると、一瞬、心が日常生活から全く離れていることに気づいてびっくりすることもあります。

そして、一番好きなのは女性作家の小説です。
男性でも、村上春樹さん、沢木耕太郎さん、北村薫さん、奥田英朗さん、などなど、好きな作家はたくさんいるのだけれど、不思議なことにいつでも読みたいわけではないのです。
一方、好きな女性作家の小説ならばいつでもどんなときでも大歓迎となってしまいます。
例えば梨木香歩さん、江國香織さん、恩田陸さん、よしもとばななさん、みな大好きで、文庫の新刊が出るたびに内容を確認することなくそのままレジに直行。
最近では少し古めかしい気がして敬遠していた山崎豊子さんや有吉佐和子さんにも手を出しています。
自分が、多少無理をして、もともと男性がつくった法律の世界に身を置いているから女性的なものを自然に求めてしまうのかも知れません。
もし十分な量の供給があるのならば毎日2冊くらいは読んでしまいそうな気さえしてしまいます。

残念ながら好きな作家に限って寡作だったりするので、本好きの友達と情報交換をしたりネットで検索したりして新しい作家の発掘に努めているのですが、なかなか好きな作家が増えないのが悩みのタネです。
年のせいもあり好みが難しくなっているのかも知れないのですが、出版業界あるいは作家、作家志望の方に声を大にして御願いしたいのです。
「もっと働く女性が楽しめる小説を!!」

ちょっと前まで田辺聖子さんが、おしゃれで元気がでる、それでいてほんの少しの苦みのある大人の恋愛小説をたくさん書かれていました。
しかも舞台は関西。
登場人物は関西で働く女性が圧倒的に多かったのも特徴です。
おいしい食べ物もふんだんにでてきて、食いしん坊の私としては、ストーリーの楽しさをたんのうするだけでなく、いつも至福の時間をいただいていました。
田辺聖子さんの小説には、働く女性へのやさしい視線が一貫して根底に流れていて、大げさでなく生きるエネルギーを与えてもらっていました。 しかし、残念ながら年齢的なこともあり、最近は恋愛小説を書くのはやめておられるそう。
そして、私にとって、田辺聖子さんの空白を埋めてくれる作家はまだ現れていません。
最近の女性作家もファンタジックなものやおしゃれなものなどすてきな小説をたくさん書かれていて、時代ものなどもおもしろいものが多くおおいに楽しませてもらっています。

しかしよくよく考えると普通に働く女性がでてくる小説が少ないのです。
ちょっと背伸びをしたい少女が読むのにも働く女性が普通に描かれている小説は貴重だと思うのです。
自分が社会にでて働くときのイメージを具体的に持つことができるだろうし、働く人に求められる気配りや常識なども小説から学ぶことができると思うのです。
現在、かつてのOLに分類されるような働く女性は減っていて、派遣労働者や有期雇用契約労働者の増大など、世相を反映して働く女性の姿も多様化しています。そのため、みなが共有できる「働く女性」のイメージがなく、小説を書く人も書きにくいのかも知れません。
でもでも、やはり、生き生きと働く女性の姿を小説でもたくさん読みたいのです。
現実の社会を知るきっかけや自分と社会とのかかわり方を考えるきっかけになるリアリティのある作品を読みたいなあと思うのです。

自分に小説を書く才能がないのが残念です。
読者の方でお勧めの作家あるいは小説があれば御一報いただければ幸いです。