2017年10月01日

ランニングの大会へのエントリーはインターネットで行うのが当たり前のことになっている。ランネットやスポーツエントリーといった色々な大会へのエントリー手続きを扱うウェブサイトがあり、それらを経由してエントリーする大会がほとんどになっている。
インターネットが当たり前になる以前のことを思い出してみると、やはり紙、郵送である。
以下のことは当時中学生であった私が3キロ、5キロといったロードレースに参加したときの経験によるが、フルマラソンやウルトラマラソンでも同じような手順であっただろう。

手順としては、まず「ランナーズ」のような雑誌をみてエントリーする大会を決める。
雑誌の後ろの方に大会の開催日、種目、大会事務局の連絡先などがリストアップされたページがあるので、それを参照する。

次に、大会事務局に問い合わせて大会の要項と申込用紙を送ってもらう。
具体的には事務局に宛てて返信用封筒を郵送する。郵送費を参加者負担とするための手順であろう。
封筒のなかに封筒を入れて送るだけでは受け取った側が困惑するであろうから、「〇〇大会に参加させていただきたいので必要書類をお送りください」というようなことを一筆箋などに書き添えて入れておく。

大会事務局から書類が送られてきた後、申込用紙に指示された事項を書き入れて再度郵送する。このときに参加料を添えて現金書留で送るように指定されていることが多い。
子どもにとって現金書留というのは慣れないことで、郵便局の窓口で質問しながら発送した記憶がある。

標準的な手順としては以上のようなところで、書類を取り寄せるために返信用封筒を送るとか、現金書留で参加料を添えて申し込むといったところは現在との違いを感じる。
ただ、もしかすると、機械化されず「人間の判断」が介在するために妙に融通が利いてしまう場合があったという点が最も大きな違いなのかもしれない。

たとえば小規模なロードレースでは建前上は「市内に居住、通勤、通学する者」といった参加資格の限定がなされていることがあるが、あんまり厳密には運用されていなかった。
参加資格がなくとも書類を送ってしまえば参加できるようなことが結構あった。
私は厚木市に住んで市内の中学校に通っていたが、あるときに近隣のZ市で開催される3キロのロードレースに申し込んだところ、事務局(Z市主催の大会だったように思う)から「きみは厚木市民でZ市に関わりがないから参加できないよ」といったんは言われた。
しかしこのときも最終的には「開会式と閉会式にきちんと参加すること」という緩やかな条件を付して参加を認めてもらえた。
ルールから外れているといえば外れているが、参加を希望しているのだから大会側も強いて断るほどのことでもないという大らかな判断だったのだろう。