2014年09月01日

この夏休みに家族でハワイに行ってきました。
友達に「何をしてきたの?」と聞かれて、「なんにも・・・でもそれがよかったのよ。」と答えるような旅でした。

旅に出ると日本の価値観が全てではないのだなと気づかされます。

今回、デパートで子供服を買い、ホテルに戻ってから盗難防止のインクタグが外し忘れられているのを発見して、翌日お店に持っていったということがありました。
私は夫に「きっと、軽くSorry!と言われて終わりだよね。」と話していました。
もちろん日本では、ほとんどの場合、「大変申し訳ありませんでした。」と丁重にお辞儀をされると思います。
そして実際には・・・にやっと笑ってタグを外されて終わりでした。
特別変な店員さんという印象はなく、これが普通なのだろうなあと思わされ、日本との違いに妙に納得させられる出来事でした。

お気に入りのハンバーガーショップで、ある日店内の音楽にあわせてノリノリで歌ったり踊ったりしながら働いている女性の店員さんがいました。さすがに「大丈夫?」と思って周りをキョロキョロすると同僚の男性も彼女をみながらニコニコ笑っていたのでなんだか安心してしまいました。
私と目が合うと彼女は極上の笑顔を投げかけてくれました。
二度目に行ったときは彼女は静かに仕事をしていました。今日はその気分じゃないんだなあ、と私もそっと見守りました。

24時間営業のダイナーで、頭顔を含む服務全身総刺青かつピアス10個くらいつけているお兄さんがサービスしてくれたこともありました。
子供たちは最初ちょっと怯えていましたが、彼のサービスはフレンドリーで細やかな気配りに満ちており私たちは気持ちよくダイナーを後にしました。

以前香港に行ったときも、スーパーのレジの店員さんが商品を渡してくれながら大あくびをしていたことがありました。
あまりのおおらかさにちょっと面白くなって、Sleepy?と言ったところ、ケラケラという笑い声とともにめちゃくちゃフレンドリーな気持ちのよい笑い顔が返ってきました。

それに引き換え日本の接客マニュアルの丁寧なことといったらどうでしょう。
スーパーで納豆一つ買っても、「ありがとうございました。」と両手を体の前で重ねて30度のお辞儀をされます。左手が上ということまでマニュアルで決まっているそうで、注意して見ているとたしかにみなさんそうされています。
ピアスも両耳に1つずつなど詳細に決まっているようです。
そこまでのサービスを誰が要求しているのかとても不思議です。
バブルのころは人手不足ということもあってかかなりぞんざいな応対をするお店もあったように思いますが、長引く不況下でこの手のサービスはどんどん詳細にマニュアル化され、現在のような最上級の丁寧さになってきたように思います。
ネットでサービスを評価されたり、執拗にクレームをつける顧客がいたりすることなども理由なのでしょう。

その一方、飲食チェーンなどで深刻な人手不足が問題になっています。
最近は時給1500円でも集まらないという話も耳にすることがあります。
コストカットのため少ない人数で店をまわさなければならないという大変さも原因なのでしょう。
ただ、私はむしろ詳細な接客マニュアルに従うことが当然のように要求されるほうがしんどいような気がします。

管理する側からすれば支店や従業員によってバラバラのサービスを提供するのは望ましくなく、できるだけ均一な質のよいサービスを提供したいというのは理解できます。
でも、窮屈に管理されたうえでのサービスはそれほど心地よくないと思うのです。
サービスされる側からしても、お互い生身の人間なのに、そうでないかのようにマニュアル化された対応をされるのは少し息が詰まります。
また将来自分の子供や孫がこんなサービスを提供されるように強要されたらと思うとあまり嬉しい気持ちにはなれません。
サービスを受ける側も提供する側ももっとおおらかになれないかなあ、と思うのですが、いかがでしょうか?