2011年12月01日

11月になるとだいぶ冷えてきて、冬が近づいていることを実感するようになり、ついに12月になりました。冬という言葉を聞いて何を思い浮かべるのかは、人によって違うと思いますが、私の場合、いろいろと思い浮かべるものの一つとして、オリオン座があります。
中学1年生のころだったと思いますが、冬に夜空を何気なく見上げると、オリオン座が突然目に飛び込んできました。それまでは、オリオン座という星座があることを、学校で習って知ってはいたものの、実際に見たことはなかったので、その大きさにかなりインパクトを受け、寒い中、長い間眺めていたことを今でも覚えています。
それ以来、20年以上、毎年最低1回は眺めているように思います。

オリオン座にまつわる天体のうち有名なものとして、三つ星、小三つ星(こみつぼし)、オリオン大星雲、リゲル、ベテルギウスがよく挙げられます。

三つ星は、オリオン(ギリシャ神話に出てくる狩人)のベルトに見立てられる、3つ並んだ恒星です。長州藩の毛利家の家紋・一文字三つ星の由来のひとつになっているのではないかといわれます。
その三つ星の下に縦に並んで剣に見立てられる天体が小三つ星、小三つ星の真ん中あたりにぼんやり見える天体が、オリオン大星雲です。

そして、三つ星の右下に輝くのがリゲルです。青白く輝く1等星です。
オリオンの左足に位置するこの恒星は、地球から光の速さで770年ほどの距離にあります。今から770年ほど前というと、1240年ころですので、鎌倉時代のものを見ていることになります。

三つ星の左上に輝くのがベテルギウスです。赤く輝く1等星です。源氏が白色の旗を、平家が紅色の旗を掲げて戦ったことから、和名では、リゲルを源氏星、ベテルギウスを平家星ともいいます。
オリオンの右肩に位置するこの恒星は、地球から光の速さで640年ほどの距離にあります。今から640年ほど前というと1370年ころですので、南北朝時代のものを見ていることになります。
ベテルギウスは、超巨大であり、太陽系の中心に太陽の代わりにベテルギウスを置くと、水星・金星・地球・火星が完全に飲み込まれ、木星の軌道近くまで到達するのではないかといわれています。

ベテルギウスはそれほど遠くない将来大爆発する(様子が地球上で見られる)といわれていますので、オリオン座が今のオリオン座の形のままでいられるのも、それほど長くはないのかもしれません。平家物語に出てくる「諸行無常」という言葉が浮かんできたりもします。