2007年02月28日

これほどまでパソコンを使った生活が快適なものか、私は最近この想いを強くしています。
そのすべてを話すとおそらく100項目にも及びますが、今回は私自身の経験から3つだけ紹介します。

【電子アルバム】
電子アルバムとは、従来の普通のアルバムのようにプリントした写真を紙(アルバム)に貼り付けるのではなく、パソコン上で電子データとして整理、保管、管理する「パソコン上のアルバム」です。
最近の写真はほとんどデジカメで撮られ、これはいわゆる電子データですから、そのことのメリットを利用しない手はありません。これをフィルムカメラと同じようにプリントしてアルバムに貼るのでは芸がありません。パソコンに取り込み、「電子アルバム」として保管することで新しい世界が開けます。
従来のアルバムは、これと併用してもいいですが、その便利さ故におそらく決別することになるでしょう。
電子アルバムには次のようなメリットがあります。

(1)保管場所をとらない。
どの家庭でも家族のものを合わせると数十冊の写真アルバムがあるはずです。それらの収納スペースは相当なものです。その結果、親が死ぬと子供らは親のアルバムの処理に悩みます。
電子アルバムでは、パソコンに写真を1万枚でも10万枚でも収納できますから(ハードディスクの容量次第で)保管場所はまったく必要としません。
私自身、幼い頃からの写真はすべて電子アルバムとし、10冊以上の従来のアルバムは(まだ捨ててはいませんが)子供らが将来心おきなく処分できるようにしてあります。

(2)写真が色あせたり、傷んだりしない。
普通のアルバムに貼ってある写真は年月の経過とともに色があせ、台紙からめくれるなど、劣化が避けられません。しかし、電子データや電子アルバムではまったくそのようなことがありません。
CDにコピーしたときは、CD自体の耐久性に限度はありますが、中の写真(電子データ)は永久に不変です。

(3)動画(ビデオ)も同じように保管できる。
最近はビデオカメラでなくてもコンパクトタイプのデジカメで簡単に動画(音声付き)が撮れます。
ところが、普通のアルバムでは動画を静止画と同じように保管する方法はありませんので、同じ機会に撮った映像でも、両方を別々に整理、保管するほかありません。
しかし、電子アルバムの場合は、パソコン内の同じところに(例えば、「孫の七五三」などのフォルダ内に)静止画と動画を並べて保存することができます。それを見るときも同様、一連の保存画像として再生するだけのことです。

(3)コピーをいくらでも作れる。
パソコン内の映像はいつでもCD-RやDVD-Rにその全部や一部をコピーすることができます。CD1枚に静止画なら数百枚から数千枚(写真のサイズ(画質)によります)、DVDだとその約7倍の写真を記録できます。動画も同じようにコピーできます。
ちなみに、CDは今や1枚が40~50円とびっくりするほど安価です。
家族の写真であれば、子供や親戚の数だけコピーし、それぞれに渡しておけばよいし(バックアップの意味もあります)、友人との旅行写真であれば、参加者の人数分だけコピーしてそのCDを友人にプレゼントすることができます。友人はそれを自分のパソコン内の電子アルバムに追加してもよいし、そのCDからプリントすることも可能です。

(4)閲覧が容易で楽しい
電子アルバム中の写真を見るにはパソコンを立ち上げて、数回クリック操作をするだけです。それで、パソコンのディスプレー全体に拡大して見ることができます。動画の再生でも同様です。CDからの再生でもまったく難しくはありません。
また、それなりのソフトを使うと、画面が普通のアルバムの見開きページのように表示されてそれが自動的にめくられたり、バック音楽付きで自動スライドショーをしてくれたりもします。さらに、これをプロジェクターやテレビで大写しすると家族や友人といっしょに映像を楽しむことができます。

ところで、デジカメで撮った写真についてはこのような整理方法が容易ですが、昔ながらのアルバムとそこに貼ってある膨大な枚数の写真はどうするか、という問題があります。
それらについてはスキャナーを使ってパソコンに取り込むという作業をします。少々時間はかかりますが、最近のスキャナーはスピードが速く、機能も進歩しているので(値段も安くなりました)、想像するほど面倒な作業ではありません。また、その作業過程でスキャンする写真をセレクトすることも可能ですし、ついでにトリミングや露出補正などを施してリニューアルしておくこともできます。

【音楽配信サービス】
電子アルバム内の写真はデジタル化された画像データですが、音楽も今やほとんどが(CDに代表される)デジタル化された音声データです。したがって、音楽もパソコンで楽しむことのできる時代になったということです。
すでにインターネットを利用している、接続時間に関係のない定額料金である、音楽を好みCDなどでよく音楽を聴く、こういう人におすすめなのがインターネットによる音楽配信サービスの利用です。
配信サービスを行っている会社はいくつもあるようですが、私が利用しているのは有料(月額1890円)の「ナクソク・ミュージック・ライブラリ」というものです。あらゆるジャンル、現在世界に流通しているほとんどの(と思われる)CDソースがインターネットを通じて配信されています。毎日のように新譜も紹介されます。パソコンさえあれば、これらをいつでも、どこででも聴くことができるのです。
もっとも、パソコンの内蔵スピーカーではいい音は出ないので、それなりのスピーカーに接続するのですが、そうすれば、CDを直接オーディオ機器で聴くのとまったく同じ音質の音楽を聴くことができます。
旅行先などではスピーカーの代わりに、(最近流行の携帯オーディオと同じように)性能のよいイヤホーンかヘッドフォンを利用します。
私は事務所の仕事部屋で常時この方法でモーツァルトを中心としたクラシック音楽を流しています。画面のウィンドウを最小化しておく(隠しておく)と、パソコンでほかの作業をするときでもなんら支障を生じません。
こういうインターネットサービスが登場した結果、今や私が愛蔵する数百枚のCDはほとんどその存在価値を失いました。また、今後はおそらく音楽CDを購入することはなくなるでしょう。
業界ではCDの売上げが落ち、CDショップが経営難になるなどのニュースが伝えられていますが、当然という気がします。

【ワンセグ・テレビ】
ワンセグ放送とは、携帯電話向けの地上デジタル放送として最近運用が始められたテレビ放送です。実はこの放送が、携帯電話だけでなく、パソコンでも視聴できるのです。従来も通常のテレビ電波をパソコンで視聴することは可能でしたが、それよりはるかに簡便です。
ワンセグ放送をパソコンで視聴するには「ワンセグ・テレビチューナー」という器具が必要です。USBメモリーのような小さな器具で、これをUSBに接続するだけです。
私が購入したのは、バッファロー製の「ちょいテレ」という商品で、電器量販店で10,800円で売られています。耳かきほどの小さなアンテナが付いており、電波状態が悪ければ長さ10㎝ほどのスティック状のアンテナも付属しています。
たったこれだけの投資で、手もとのパソコン画面でいつでもテレビ番組を視聴することができます。通常のテレビ電波より少し画質は落ちますが、この低コストと手軽さを考えると不満はなく、これは実に「すぐれもの」だと思います。
私はパソコンを前に仕事をすることが多いのですが、ニュースの時間や小休止のときはパソコン画面をテレビに切り替えて見ています。放送内容は現在のところ普通のチャンネルと同じです。
ノートパソコンとこの器具さえ所持していれば、別の場所でも、外出先でも簡単にテレビ放送を視聴することができます。
さらに便利なのは、そのままの状態で録画も簡単にできることです。録画のアイコンをクリックするだけでただちに録画が開始されます。別のレコーダーは必要ありません。視聴しているパソコンそれ自体がハードディスクレコーダーに早変わりするのです。

デジタル時代は日常生活の楽しみ方を大きく変えますし、クオリティ・オブ・ライフの可能性を格段に高めます。無限と言ってもいいくらいです。「デジタル・デバイド」(デジタル文明を利用する人としない人の格差)は広がる一方です。私は無理に追いかけようとは思いませんが、デジタル弱者にはなりたくないと思っています。