弁護士のエッセイ

2013年09月01日
私が作った「季節カレンダー」

私は今年(平成25年)の初め頃から「季節カレンダー」なるものを考案し、パソコンで順次各季節のカレンダーを作成して友人・知人に配布している。
「季節カレンダー」とは、普通のカレンダー、つまり「月別カレンダー」ではないということである。その第1ページは「1月」ではなく、「初春」であり、その初日は1月1日ではなく、立春(平成25年では2月4日)である。
1年が経過して1年分の「季節カレンダー」が完成しても、来年そのまま利用できるわけではないが、大部分の内容は共通なので、平成26年版「季節カレンダー」は立春前に1年分まとめたものを届けられるかもしれない。

1年は1月1日に始まり12月31日に終わるものとは限っていない。学校や会社のほとんどは4月1日に始まり次の3月31日に終わる。これらは暦の開始時期やある種の便宜によって決まっているのであって、自然界の節目や季節の変化に合致させたものではない。
季節を重視すると、1年は春に始まり冬に終わる。必ずしもそうでなくてもよいが(時間には初めも終わりもないのだから)、とにかく、区切りが1月とか4月とかではなく、季節の節目である方がよい。

そういうわけで、とりあえず1年の始まりを春としたい。では、その春はいつから始まるか。それには「二十四節気」というものがあり、これで決まっている。メディアなどでも「今日は二十四節気で言うと立春です」などと言う、あの「二十四節気」である。
「二十四節気」は暦の都合や社会的事象によって決まっているのではない。太陽と地球の関係から科学的に決まっている。地球は太陽の回りを運行(公転)し、1周すれば1年が経過する。この間に春夏秋冬の変化が生じる(地球の軸が公転面に対して約23.4度傾いているから)。この1太陽年を24等分し、黄経0度を「春分」として、24の日を決め、それぞれに名前をつけたのが「二十四節気」である。
これが旧暦(太陰暦)における言葉、概念と誤解されることもあるが、もともと中国の黄河流域で成立したもので、太陽暦であり、月の運行とはまったく関係がない。
「二十四節気」の基本は「二至二分」、つまり、冬至・夏至・春分・秋分を春夏秋冬のそれぞれ真ん中とし、それらの中間点に「四立」、つまり、立春・立夏・立秋・立冬を設ける。合わせて「八節」(四季の初めと真ん中)を定め、残り16にはそれぞれ季節感を表す名称を付けた。

私の「季節カレンダー」の第1ページは「初春」、第2ページは「仲春」、第3ページは「晩春」となっており、この3ページが「春」である。各ページには「節気」が2つずつ入る。「初春」には「立春」(平成25年では2月4日)と「雨水」(2月18日)が、「仲春」には「啓蟄」(3月5日)と「春分」(3月20日)が、「晩春」には「清明」(4月5日)と「穀雨」(4月20日)である。結局、春は2月4日の「立春」に始まり、5月4日(「立夏」の前日)に終わる。以下、夏、秋、冬も同じ要領である。
「季節カレンダー」の各ページの日数は「月別カレンダー」とほぼ同じであるが、区切りの日が数字の「1」ではなく、「二十四節気」のどれかになっている点に特徴がある。立春から春が始まり、立夏から夏が、立秋から秋が、立冬から冬が始まるという風に、各季節が単位となっている。
それぞれの区切りの日が「何日か」は毎年微妙に変わる。来年の各季節と日にちの対応は今年と同じではない。

私の「季節カレンダー」の各ページは、左端に各季節の日にち、その右に、それに対応する旧暦の日にち、続いて「二十四節気」、「七十二候」、「五節句・雑節」、「その他行事」を記載している。
旧暦の日にちを記載したのは、「今日は旧暦の何日か」という興味に答えるものであるが、そればかりでなく、日本の伝統的な年中行事や農作業、季節の風物詩などが旧暦を中心に展開されてきたことから、旧暦に思いを致すことで、古き良き時代の人々と季節感や生活感を共有できると思うからである。

「七十二候」も一種の暦で、やはり大昔の中国伝来のものである。昨今の旧暦ブームの中で思いもかけず脚光を浴びている。「二十四節気」は1年を24に分ける節目であるが、「七十二候」はその各節気をさらに3つに分けて、ほぼ5日ごとに季節の言葉をつけたものである。
例えば、「二十四節気」の「白露」(平成25年は9月7日~22日)の半月間には、「草露白」(くさのつゆしろし)、「鶺鴒鳴」(せきれいなく)、「玄鳥去」(つばめさる)という3候が入っている。この表現を見てその季節の到来を知ることも少なくない。

「五節句」とは、徳川幕府が重要な年中行事として公に定めた「人日」(旧暦1月7日)、「上巳」(旧暦3月3日)、「端午」(旧暦5月5日)、「七夕」(旧暦7月7日)、「重陽」(旧暦9月9日)のことである。旧暦の説明をしようとするとさらに多くの行数を要するので別の機会に譲りたい。
「雑節」とは、昔からの慣習や年中行事で、「節分」、「彼岸」、「社日」、「八十八夜」、「入梅」、「半夏生」、「土用」、「二百十日」、「二百二十日」の9つを指す。これに「初午」、「中元」、「盂蘭盆」、「大祓え」を加える場合もある。

ところで、私の「季節カレンダー」には付録がついている。それぞれの季節に対応する「季節の言葉・風物詩」というページを加えている。ここには、「季節の言葉」、「旬の味覚」、「旬の草花」、「旬の生き物」、「年中行事」などの情報をいろんなところから収集、整理して記載している。
カレンダーと合わせて眺めると、それぞれの季節の「天からの賜り物」を知ることができ、季節を味わおうという気持、自然に感謝する気持が湧いてくるようである。

弁護士 梅本 弘