弁護士のエッセイ

2014年04月15日
四季の花 写真展

本年(2014年)3月24日から28日まで、大阪市北区の「ギャラリー菊」で、「四季の花写真展」(個展)を開催しました。今回が3回目で、ほぼ2年おきにやっています。

前回以降約2年間にわたって撮りためた花の写真の中から、春夏秋冬の花をとりまぜて52点を展示しました。

この写真展は、私が日頃親しくさせていただいている方にだけ案内状を差し上げ、花や写真の話題を材料にして、日頃の厚誼に感謝し、旧交を温め、談笑を楽しませていただくことを主目的としています。

学生時代の同窓生、同じ団体やサークルに所属している仲間、クライアントで個人的お付き合いもさせていただいている方などが対象です。不特定多数の方に私の写真を見ていただこうという動機、欲求はあまりありません。それほど自慢できる立派な作品ではありません。

私の写真展は一般的な写真展と比べ「写真」より「花」に重点があります。

同じ花を撮るにしても、「写真」という観点からは、単なる図鑑的なものや絵葉書的なものは評価されません。そこに写真的独創性、つまり構図や光に平凡でない何かが表現されていなければなりません。残念ながら、私の花の写真にはそのような要素は乏しいように思います。従って、プロの写真家はもちろん、ハイエンドな趣味人には物足りなさを感じさせるかもしれません。写真コンテストなどに出品しても入選することはないでしょう(それがわかっているから応募もしませんが)。

私の思いはむしろ、日本の四季それぞれに登場する花々、平凡で素朴で健気で、それでいて可憐な姿の花たちをあるがままに写し、それを人様にも見てもらいたい、そういう気持でシャッターを切っています。

「最近めっきり少なくなったレンゲ畑の風景、懐かしいね」とか、「ツユクサなど気に止めたことがないが意外にいい色、デリケートなデザインですね」とか、「ドウダンツツジの花は近づくと可憐なものですね」とか、「紅葉のグラデーションはこんなにきれいだったのですか」などと言われると、「我が意を得たり」とうれしい気分になります。

歳をとると誰しも多少は風流心を抱き、季節感や花鳥風月に関心を抱くようになります。そういう感性を深めていくと、この日本において生まれ、生きてきたことが実は大変幸せであったという思いに至ります。

四季が移ろい、それに従って風景、生活、食物、服装等が定期的に変化し、こんなに多種多様な草花と出会うことができる、場所を移動すると、雪や白樺のある北の地域があり、落葉樹が風と会話する山間部があり、南国を思わせる海辺もある、こういう自然の適度の変化がこの肉体や感性に伝わり、細胞や血液を活性化させるように思います。

他方、このような恩恵は、多少の不安があるとは言え、この日本という国が平和であり、少なくとも我々が育った時代は平和が続いてきたことと無関係ではありません。

それにつけても、東日本大震災のように自然がキバをむくような事態は勘弁してほしい、と願わずにはおられません。

ところで、私の写真展は、はじめに述べたような趣旨ですから、夕方にお越しいただいた方には、ささやかながらワインを提供し、ミニパーティとサロンコンサートを楽しんでいただくという趣向を用意しています。

ワインで気持を少し寛大にしていただいたあと、約30分間私が下手なチェロをピアノ伴奏で演奏し、そのあと、主に日本の歌(春夏秋冬や花にちなんだ曲)をソプラノ歌手に歌ってもらい、ある日はフルートで演奏してもらいました。

私のチェロでは最後にいつも東日本大震災復興支援ソング「花は咲く」を弾きました。

高校時代(大阪府立天王寺高校)の同期生40数名が来場してくれた夜はとくににぎやかなことこのうえない楽しい一夜でした。遠方から駆けつけてくれた友人もいました。同じく趣味でチェロをやっている友人による「友情出演」もあったし、会場が「歌声喫茶」のごとく合唱で沸き返った時間もありました。

いずれの夜も、来場いただいたみなさんに大いに楽しんでもらえたように思いますが、誰よりも主催者の私自身が楽しみ、至福の時間を過ごさせていただきました。

私の楽しみに付き合ってくださった多くの方々、それに写真展の手伝いをしてくれた事務所のスタッフらに対し、心から感謝の気持を表したいと思います。

今後それほど長くないであろうわが残り人生を、心温まる友人・知人に囲まれ、趣味の音楽や写真を伴侶として過ごせることを涙が出るほど幸せに感じながら私の写真展は終わりました。

 

弁護士 梅本 弘